vol.337 ベトナム語のスペルのつづり方(cách đánh vần) ~3文字以上の単語の場合~

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前回のvol.336 ベトナム語のスペルのつづり方(cách đánh vần) ~2文字の単語の場合~の続きです。

vol.336 ベトナム語のスペルのつづり方(cách đánh vần) ~2文字の単語の場合~

2018.01.08

ベトナム語の単語のほとんどは3文字以上※なのでcách đánh vầnはむしろここからが本番です。

ここでいう3文字以上の単語とは厳密にいうと3音韻以上の単語のことを指します。ここではわかりやすくあえて3文字以上の単語と表記しています。

2文字の単語の場合よりもやり方が複雑で、例外項目もありますのでていねいにみていきましょう。

cách đánh vầnを練習するためには、ベトナム語のアルファベットの単独読み、声調のベトナム語の名称をあらかじめ覚えていなければなりません。

まだそれらがあいまいな人はvol.335 ベトナム語のアルファベットの読み方の記事を参考にして覚えて下さい。

vol.335 ベトナム語のアルファベットの読み方

2018.01.03

cách đánh vần 3文字以上の単語の場合

  1. 母音部分を先頭から1音ずつ読む
  2. 末子音を読む ※1
  3. ①と②を合わせた音を読む
  4. 頭子音を読み、③の音をもう一度読む ※2
  5. 頭子音と③を合わせた音を読む
  6. 声調を読む ※3
  7. 単語全体を読む

※1 もとの単語に末子音がない場合は②の過程は省略される

※2 もとの単語に頭子音がない場合は④、⑤の過程は省略される

※3 もとの単語が平らな声調の場合は⑥、⑦の過程は省略される。

例のごとく一般化すると非常にわかりづらくなるので、実際にある単語を使って説明しましょう。

例えば「muốn」という単語のスペルを言いたいとします。「muốn」のcách đánh vầnは以下の通りです。

  1. 母音の「u」,「ô」を1音ずつ順番に読む
  2. 末子音「n」を読む
  3. ①と②を合わせた音「uôn」を読む
  4. 頭子音「m」を読み、③の「uôn」をもう一度読む
  5. 頭子音と③を合わせた音「muôn」を読む
  6. 鋭い声調である「sắc」を読む
  7. 最後に全体で「muốn」を読む

以上の流れをまとめると、muốnというスペルの言い方は

①u, ô→②nờ→③uôn→④mờ, uôn→⑤muôn→⑥sắc→⑦muốn

となります。

音声

3文字以上になるとかなり言い方も複雑になりますね。

確認のためもう一個「nguyễn」という単語を使って説明します。

  1. 母音部分の「u」, 「y」, 「ê」 を1音ずつ順番に読む
  2. 末子音「n」を読む
  3. ①と②を合わせた音「uyên」を読む
  4. 頭子音「ng」を読み、③の「uyên」をもう一度読む
  5. 頭子音と③を合わせた音「nguyên」を読む
  6. 倒れる声調である「ngã」を読む
  7. 最後に全体で「nguyễn」を読む

以上の流れをまとめると、nguyễnというスペルの言い方は

①u, y, ê→②nờ→③uyên→④ngờ, uyên→⑤nguyên→⑥ngã→⑦nguyễn

となります。

他の単語例

3文字以上のcách đánh vầnに慣れるために他の単語の例も見てみましょう。音声も付けておきました。

nếu

ê, u→êu→nờ, êu→nêu→sắc→nếu

thầy

ớ, y→ây→thờ, ây→thây→huyền→thầy

chỉnh

i→nhờ→inh→chờ, inh→chinh→hỏi→chỉnh

mượn

ư, ơ→nờ→ươn→mờ, ươn→mươn→nặng→mượn

ươn

ư, ơ→nờ→ươn

nghiêng

i, ê→ngờ→iêng→ngờ, iêng→nghiêng

※ちなみにこのnghiêng(=傾く)という単語はベトナム語で1番長いスペルを書く単語です。1番長くてもたかだか7文字なんですね。

vol.70 ベトナム語をカタカナで覚えてはならないワケ ~音のしくみから考える~

2016.12.24

末子音が-p, -t, -c, -chの場合は鋭い声調で!

先ほどのcách đánh vầnのやり方には一部例外があります。

それは、末子音-p, -t, -c, -chがある単語の場合は、先ほどのやり方の③〜⑤の過程で声調を「鋭い声調(thanh sắc)」で言わなければならないということです。

例えばđẹpという単語の場合

①e→②pờ→③ép→④đờ, ép→⑤đép→⑥nặng→⑦đẹp

となります。

これはなぜかというと、末子音-p, -t, -c, -chのつく単語は「鋭い声調」及び「重い声調」しか存在しないからです。

つまりベトナム語の発音の仕組み上、末子音-p, -t, -c, -chのつく単語は「鋭い声調」と「重い声調」以外では発音できないことになります。

なので通常の単語の時に先ほどの過程③〜⑤で平らな声調で言っていたところを、「鋭い声調」に変えて読まなければなりません。

なんだか複雑に感じるかもしれませんが、これも実際にある単語の例を使って慣れていくしかありません。

nghiệp

i, ê→pờ→iếp→ngờ, iếp→nghiếp→nặng→nghiệp

mặt

á→tờ→ắt→mờ, ắt→mắt→nặng→mặt

phích

i→chờ→ích→phờ, ích→phích

nước

ư, ơ→cờ→ước→nờ, ước→nước

※phíchやnướcのように末子音-p, -t, -c, -chのいずれかを持ち、もとの単語が「鋭い声調」の場合はやり方の⑥、⑦の過程は省略されます。

発音を学ぶことは発音の仕組みを学ぶこと

今まで適当に発音してきた人にとってはこのcách đánh vầnはおそらくちんぷんかんぷんだと思います。

この方法はベトナム人が幼少期から正しいスペルと正しい発音を覚えるために用いる伝統的な練習方法です。
ベトナム人なら誰でもこのcách đánh vầnを唱えることができます。

cách đánh vầnはベトナム語を学ぶ外国人は必ずしもできなければならないというわけではありません。実はトマトもcách đánh vầnの聞き取りは苦手です(笑)。

しかし、母音、頭子音、末子音など単語の発音がそれぞれどこの部分で分かれ、それぞれのパーツがどのように発音されるかは知っておかねばなりません。

ベトナム語の発音やスペルを学ぶということは、発音の仕組みや構造を知っていないとできないということです。そのことがcách đánh vầnのやり方からわかるかと思います。

ベトナム語をカタカナ発音で覚えることががいかに間違いででたらめに満ちているか、もういいかげん気づきましたよね?(笑)

まとめ

・cách đánh vần 3文字以上の単語の場合

  1. 母音部分を先頭から1音ずつ読む
  2. 末子音を読む ※1
  3. ①と②を合わせた音を読む
  4. 頭子音を読み、③の音をもう一度読む ※2
  5. 頭子音と③を合わせた音を読む
  6. 声調を読む ※3
  7. 単語全体を読む

※1 もとの単語に末子音がない場合は②の過程は省略される

※2 もとの単語に頭子音がない場合は④、⑤の過程は省略される

※3 もとの単語が平らな声調の場合は⑥、⑦の過程は省略される。

※4 もとの単語に末子音-p, -t, -c, -chがある場合は③〜⑤の過程で声調を「鋭い声調(thanh sắc)」で言わなければならない。

※5 もとの単語に末子音-p, -t, -c, -chがあり、かつ「鋭い声調」を持つ場合は⑥、⑦の過程は省略される。

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