vol.294 トマトのゴキブリストーリー

今回はゴキブリに関する話です。お食事中の方や、ゴキブリが苦手な人は注意してください。

※グロではありません。

4年前のトラウマ

トマトはゴキブリが大の苦手です。黒い影がすっと目に入るだけでビクッとなるくらいです。部屋にいようものなら少女のごとくつい高い声で叫んでしまいます。

視界に入るのはもちろんゴキブリと同じ空間にいるだけでとにかく嫌です。もうゴキブリはトマトにとって完全にトラウマと化しています。

トマトがこんなふうになってしまったのも4年前のちょうど今頃に起こったとある事件がきっかけでした。

当時はトマトがホーチミンに留学したての頃でまだベトナムで住む所が決まっておらず、とある知人から25階建てのマンションの3部屋あるうちの1室を紹介してもらいました。

ホーチミン市5区にある某マンション

その家にはすでに二人の住人が住んでいました。二人ともベトナム人で、一人は医者で、もう一人はビアサイゴン(ベトナムで有名なビール会社)の社員でした。

つまり計3人でルームシェアする形で住むことになります。

シェアといっても風呂トイレキッチンだけ共用で、個室はちゃんと鍵がかかるタイプのものなのでプライバシーは守られるし、値段も月300万ドン(約15000円)で安かったのでここに決めました。

ルームメイトもベトナム人だから良い会話の練習にもなるかな当時は思ってました。

当時住む予定だった部屋

しかしここに移り住んで二日目の夜、この家で信じられない事件が起こります。

黒い悪魔

ここからは4年前のfacebookの日記を引用しています。文体が違いますが当時の臨場感を出すため、ほとんど修正せずに紹介します。

2013.10.7

豪華なマンションに移り住んで2日目。時折スコールがふりつける、ベトナムの秋の夜長(ベトナムには秋ないけど)、私は台所で黒い通り魔に出会った。

一見綺麗に見える台所だけど実は…

もうわかるよね、ゴキブリだね(以下G)。

台所に一匹、大きさは5㎝ほどの立派なGありけり。ベトナムではいたって普通のサイズだ。

でも私はこの程度ではびびりません。大きいGは沖縄でも見慣れているし、一匹なら大丈夫。と多少ビビりながらも、一匹倒すことに無事成功した。

「なぁんだ、動きも遅いし、ベトナムのGも大したことないな…へへ」

そうして、落ち着いてよーく台所を見回してみるとさらに視界に映る黒点を2つ観測した。

これくらいでもまだ余裕、でも道具があったほうがもっと倒しやすい。

急いで一階のコンビニへ行き、殺虫スプレーを購入。

現場に戻り、すぐに黒点めがけて噴射!!

が、その殺虫スプレーの効き目が弱く、なかなか死なないではないか!!

しかも、噴射するとGも死ぬまいと、今までノロマだったのが必死に抵抗するかのように暴れまわった。

これはヤバイ!一匹はなんとか追いかけて撃破したが、もう一匹が棚の隙間に逃げてしまった!

画像左下の棚に隙間があります

「はは、ばかなGめ、隙間でもスプレーなら余裕で届くんだよな、文字通り虫の息にしてやるわ!!」

と隙間にスプレーした瞬間、その隙間から他のGが10匹ほど(もちろん同じ5㎝サイズのもの)が一気に、わしゃわしゃと飛び出してきた!!

もうここから私はパニック状態、スプレーをかければかけるほど、Gは反発して荒れ狂う…

さらに自分が興奮してスプレーを噴射しまくっているから、台所全体がスプレーの空気で充満しはじめた。

てことはですよ、他の部分、上の棚とか、ゴミ箱などの隙間からさらに他のGがスプレーに反応してでてくるんですよ。

つまり、

スプレー→G増える→スプレー→G増える…

の黒い悪魔のスパイラルで、Gは部屋中に拡散、しまいには浴室とか他の部屋のGまで出てきて、家中はもう大パニックルームとなった。

同居人に助けを呼ぼうとしても、お医者さんは当直で帰ってこないし、ビアサイゴンの社員はビールの飲み過ぎで泥酔してて使いもんになんねーしで、結局警備員のおっちゃんにチップを渡しておっちゃんと夜のG殲滅大戦闘大会を開催することになった。

こだまする私の叫び声、Gの羽音と鳴き声のハーモニー(Gってキュッキュッって鳴くんだぜ)、充満するスプレーのガス臭、それらをものともせず気持ち良さそうに寝るビアサイゴン野郎…

結局夜中まで戦闘は続き…スプレー缶を3つ使いきった。

記憶に残っているだけでも少なくとも40匹(すべて沖縄サイズ)は倒しました。facebookだからって決して大げさに言ってませんよ。”少なくとも“40匹だからね。

一夜にして殺戮者となったトマトには深い傷跡と怒りが残る…

夜中まで続いたG殺戮大会inベトナムはなんとか収束したが、私のメンタルはズタボロになっていた。
まず、ゴキブリがもう完全にトラウマ化。ちょっと黒い影が通っただけで、びくっ!!としてしまう体になっていた。

そして現場の台所もトラウマ化、そこを通るだけでゴキブリがいるのではないかと神経質になっちゃう。ゴキブリのいるいないに関わらずあの台所と同じ空間にいるのが嫌になった。生理的にあの台所を受け付けなくなっていた。

ここまで放置したのは誰のせい!?

ここまでゴキブリを大量発生させた原因は何なのか、誰なのか、どうして俺がこんな苦労しなきゃいけないのかといささかの怒りと共に原因を探し始めた。

原因はすぐ近くにいた。同居人の医者とビアサイゴンだ。

実は彼らは4ヶ月前からここに住んでいて、台所で料理したあとも、ほとんど掃除せずに残りカスをほったらかしにしていたのが主な原因だった。

他の部分もほとんど掃除してなかったりしていて、二人のルーズさにはほとほとあきれてしまった。

しかも、ビアサイゴンが俺がゴキブリを大量殺戮したことに反論してきた。

ビアサイゴンいわく、ゴキブリは特に害もないし、小さいのにその体の強靭さには見習うべきこともある。そんなゴキブリを殺すのは難しいし、ゴキブリが可哀想だよとかほざいてきたのである。

いやいや!!ゴキブリは伝染病を媒介する生き物だからおもいっきり害はあるし、大体ビアサイゴンも最初は少し手伝って数匹殺してたじゃん!!…(ビアサイゴンはその時酔っぱらって覚えてなかったっぽい)、てか可哀想なのは何より俺だし…

同居人が不衛生にしてたのが原因なのに反論をしてきたり、苦労して倒した俺に一瞥の同情もくれない同居人に僕は怒りプンプン丸し、二人とは感覚があまりにもちがいすぎるからこりゃ一緒に住むのは無理だなとすぐに悟った。

そもそも地面にゴキブリの死体が転がっているのに、それを掃除もしないで普通に生活している二人の感覚がまったく理解できなかった。

もちろんベトナム人全員がこういうわけではないし、ベトナム人だってゴキブリは嫌いだし、普通に掃除だってするだろう。

文化、習慣は違えど、ゴキブリが嫌だという感覚や、綺麗でありたいという人間の感性、感情はどこの国であろうと変わらない(と信じている)。この二人が明らかにおかしいのだ。

自身のトラウマ化と同居人との不一致により、私は健全な生活を送れなくなっていたので、また引っ越しを余儀なくされることになったのである…

いやー、今読み返してみてもほんとにこの医者とビアサイゴンは頭おかしいですね(笑)。あとなんか過去の自分の書き方に若干恥ずかしい思いがします(笑)。

当時はまだベトナム語もほとんど話せず、2人に文句も言えずにしぶしぶこの部屋を去っていったのがとても悔しかったですね。今なら思いっきり啖呵を切って説教してやりたいです。

そしてこの事件をきっかけにトマトはゴキブリが本当に苦手になり、トマトが住む家の絶対条件は「ゴキブリが出ない綺麗な部屋」となりました。

まだまだベトナムは公衆衛生に問題があり、ゴキブリはあちこちにいます。はやくゴキブリと無縁になるようなクリーンな国になってほしいです。

中秋の名月に祈りを込めて

トマトより

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