定期購読マガジン「トマトのベトナム語学習ラボ」はこちら

vol.171 ドラえもんの歌を読解してみた②

昨日の続きです。今回もなかなか内容が難しいです。全部覚えると大変なので気になったポイントだけ「ふーん、そうなんだぁー」的なかんじでゆるく見て下さい。
みてない人は①からみてね。

Bao ước mơ mình vẫn đi tìm

Baoは何?

Baoは単体だと「袋、包む、おごる」のような意味がありますが、ここは前に「ước mơ=夢」という名詞があるのでbaoはbao nhiêuのnhiêuが省略された形だとわかります。
しかもこのbao nhiêuは「いくつ?」という疑問で聞いているのではなく、「(いくつかわからないほど)多い、たくさんの」という意味になります。bao nhiêuは肯定文で使うこともできるんですね。うーん、難しい…
ポイント: (肯定文の)bao nhiêu=たくさんの
そしてこのBao ước mơという名詞にmình vẫn đi tìmという名詞節(S+Vのかたまり)がかかっています。なので意味は「僕(=のび太)がずっと探してたたくさんの夢となります。この文は日本語バージョンの歌詞の「あんな夢こんな夢いっぱいあるけど♪」と少し似ていますね。
ポイント:S+Vのかたまりは前の名詞を修飾することもできる。

Chợt hôm nay bạn đã khiến cho ước mơ bỗng nhiên không còn là xa xôi

これは長いけど単語の意味がわかれば比較的訳せるかと思います。

Chợt hôm nay〜bỗng nhiên

最初のChợtは「突然」です。真ん中にあるbỗng nhiênも同じ意味です。Chợt hôm nayで「ある日突然」と訳しときましょう。

bạn

次の「bạn=あなた」はのび太からみた「あなた」なのでドラえもんのことを指します。

đã khiến cho

khiến choは使役形です。khiến cho+S+Vで「SにVさせる」となります。khiếnは漢越で【遣】です。つかわす、という使役形の意味まんまですね。khiến choは書き言葉でよく使います。

ポイント:khiến cho+S+Vで「SにVさせる」

ước mơ…không còn là xa xôi

khiến choの中のS+Vの部分です。

ước mơはさきほどの「僕(=のび太)がずっと探してたたくさんの夢」のことを指します。

không còn〜で「(今では)もう〜ない」です。真ん中のlàは強調系のlàで特に意味はありません。xa xôiは「遠く離れた」という意味でxaを強調した形です。

つまりước mơ…không còn là xa xôiで「夢はもはや遠く離れたものではなくなった→夢は近づいた→夢は簡単に叶えられるようになった」と訳せます。

まとめるとChợt hôm nay bạn đã khiến cho ước mơ bỗng nhiên không còn là xa xôiで直訳すると、「ある日突然君(=ドラえもん)は僕の夢を簡単に叶えられるようにさせた」となります。意訳すれば「ドラえもんのおかげで願いごとがいきなり叶うようになっちゃった♪」といった感じでしょうか。
ポイント:không còn〜で「(今では)もう〜ない」
今日はここまで!また明日!

まとめ

・(肯定文の)bao nhiêu=たくさんの
・S+Vのかたまりは前の名詞を修飾することもできる。
・khiến cho+S+Vで「SにVさせる」
・không còn〜で「(今では)もう〜ない」

1件のコメント

トマトさん

今日も興味深い記事をありがとうございます。
前にトマトさんにベトナム語の歌とメロディと声調についてお伺いしましたが、今回のドラえもんもそういった作用が

あるのでしょうか。つまり、意味内容的には適合する言葉でも声調的におかしくなるので組み合わせを変えて歌詞を作っているのか、ということです。

先日申し上げたベトナム語の「作文」「読解」の通信講座ですが、流れとして
① 課題を受講者にメールで送り、期限までに行う
② 期限までに提出し、赤でチェック。
③ 間違ったところや訂正、補足事項などコメントを書く
④ それを受けて受講者は質問などをする

これで1セットとして行ってみてはいかがでしょうか。通信だとベトナムだけに囚われず
日本人(私とか…笑)でも受講できますし、広がるのではないかと・・・。

期限を設けた理由は、受講者任せにすると提出が滞るからです。生活をしながら、仕事をしながら
なので、優先順位が後回しになりがちです。また、緊張感がなくなります。

そしてトマトさんの手間もかかりません。
他にオプションとして、3~4人の受講生を集い、スカイプで「外書購読」ならぬ公開翻訳講座を行ってみてはいかがでしょうか。

ここでは、通信講座よりもベトナム語の論理を説明できると思います。
いかがでしょうか。(勝手なことを書いてスミマセン)

西村 卓也 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください