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vol.70 ベトナム語をカタカナで覚えてはならないワケ ~音のしくみから考える~

ベトナム語で一番つづりが長い単語は?

さて問題です。ベトナム語で一番つづりが長い単語は何文字だと思いますか?

[wpex more=”正解はコチラ” less=”もどす”]nghiêng(意味は「傾く」)の7文字[/wpex]

ベトナム語では一番つづりが長い単語でもたったの7文字です。非常に短いですね。

ベトナム語は1単語=1音節

ベトナム語は基本的に単音節で一つの単語が形成されています。単音節とはひとつの音のかたまりの単位のことで、「母音だけ、もしくは母音と子音で構成された、音のまとまり」を指します。日本語では、あ-a,い-i,う-u,え-e,お-o,か-ka,き-ki,く-ku,け-ke,こ-ko などのひらがな1文字を1音節として考えます。

ベトナム語では一つの単語が日本語のひらがな1文字に相当する音の単位で構成されているので、つづりもこれ以上長くなりようがありません。だからどんなに長くても7文字程度でおさまってしまうのです。

音節の切れ目の違いが発音の違いを生む

日本語とベトナム語の音の切れ目の違いも日本人のベトナム語の発音を困難にさせている1つの原因です。

例えば「ベトナム」という言葉は日本語ではべ-be・ト-to・ナ-na・ム-muの4文字=4音節ですが、ベトナム語では「Việt Nam」とViệtとNamの2単語で表記するので2音節になります。日本語では音を4回切るけど、ベトナム語では2回しか切りません。日本語的に「be・to・na・mu」と4音節で言うとベトナム人からは余計な音が入り込んでしまい非常に聞き取りづらくなります。

Việt Namをカタカナ発音で「ベトナム」と発音している限りは永遠にベトナム語らしい発音にはなりません。ベトナム人にも通じづらくなります。

こういった理由からも絶対にベトナム語の発音をカタカナで覚えてはならないし、使ってはなりません

まとめ

ベトナム語は1単語=1音節(=ひらがな1文字に相当する音の単位)で構成されています。日本語とベトナム語は音の区切り方が違うので絶対にベトナム語をカタカナで覚えてはいけません。