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vol.65 理屈先、発音あと

ネイティブからいきなり発音を習うのは非効率的

外国語の発音の練習では、ネイティブの先生の発音をマネしてひたすらリピートするという方法がよく行われます。音から入るという方法は一見有効に見えますが、音よりも先に母国語で発音の理屈を先に頭に入れたほうがはるかに効率的です。

ベトナム語の場合、例えば子音の[ch-]と[tr-]の違いをベトナム人から習うとします。そうするとベトナム人の発音する[ch-]と[tr-]の違いを何回も聞いて繰り返しマネさせられるでしょう。
違いを感覚的な「音」で区別しなければならないので何だかわかったようなわからなかったようなモヤモヤした感じだけが残ります。

理屈を先に頭に入れること

一方[ch-]と[tr-]は日本語の[チャ]行である※1と日本語での理屈を先に頭に入れておけばわざわざネイティブの言う発音を何回も繰り返して練習する必要はなくなります。日本人なら「チャ」行の発音は誰でもできるので発音の練習は2-3回確認する程度で十分です。

日本語で説明されると実は簡単な発音を繰り返し練習するくらいなら、日本人にとって難しい発音の練習に時間とエネルギーを集中させるべきです。

まとめ

幼児期の子供なら音から練習してもいいかもしれないけど、日本語の音で脳がガチガチに固まってしまっている普通の大人は「理屈」から発音の練習に入るべきです。

※1 厳密に言うと[tr-]のほうは「チャ」+[r]の発音で、舌先を上顎に触れないように、巻舌気味に「チャ」と言わなければなりませんが、普通に[ch-]と同じ「チャ」行でも問題なく通じます。

詳しくはvol.28 [tr]は[チャ]ではない??を見てください。