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vol.35 教員を祝うのは給料が低いから?

本日11月20日はベトナムでは「教師の日(ngày nhà giáo Việt Nam)」です。

この日は生徒が教師に対して感謝する日で、先生に花などの贈り物を送ったり、学校では教員のために感謝パーティーなどが開かれたりする。

このようにベトナムの教員は人々から尊敬される職業の一つであるが、一方である大きな問題を抱えている。

それは教員の給料が非常に低いということである。ベトナムの教員は公職なので国の俸給表に従って給料が支払われる。教育系の大学を卒業したばかりの中学や高校の新任教員の場合、初任給は大体300万ドン(約15000円)である。この金額は民間の工場労働者の給与と大して変わらない。ベトナムの物価水準と比べても月15000円ではきつい生活を強いられる。

だからベトナムの教員は通常の仕事の他に個別で家庭教師をしたり、私塾を開いたり、他のアルバイトをするなどして副収入を得ているパターンが非常に多い。

筆者の知り合いにも大学の教員が何人かいるが、ある体育学部の先生はジムを経営していたり、ある農学部の先生は自分で農場を持ち、そこで安全農作物を作って市場に高値で売ったりするなどの副業をしている。

このようにベトナムの教員は人々から尊敬され、威厳のある職業のイメージがあるが実際の生活は非常に厳しい。

こういった教師の日が設定されているのも、先生の給料が低くて普段かわいそうだからたまにはみんなで感謝して祝いましょうっていう意味も含まれているのかもしれない。