vol.417 2文字の母音の長短 全パターンまとめ




2文字の母音の長短の全パターンをまとめてみました。

今まで感覚的に発音をしてた人も母音がどういう法則で成り立っているのかを知るだけでよりネイティブに近いキレイな発音をすることができます。この機会に2文字の母音のしくみを学びましょう。発音初級者はとりあえず「二重母音」と「長いイ、短いイ」だけでも覚えてください。

音の長短パターンを意識すること

vol.415で母音を区別するポイントとして

①口の形
②音の長さ
③舌の位置

を上げました。

2文字の母音では②の「音の長さ」が一番大事なポイントになってきます。

特にどの母音が長く発音したり短く発音したりするのかという「音の長短」のパターンを意識することが重要です。

そのパターンをまとめた図が以下になります。

図を見てもわかるように、2文字の母音のほとんどが「長・短」か「短・長」のどちらかのグループに分かれていますね。

ではそれぞれのグループに属する母音のパターンをこまかく見ていきましょう。

長・短グループ

1つ目の母音を長く、2つ目の母音を短く発音するパターンです。

二重母音

二重母音とは二つの連続する母音が一つの音のかたまりとなっている「二つで一セット」の母音のことです。

ベトナム語の二重母音は[-ia], [-ua], [-ưa], [-iê-], [-ươ-], [-uô-]の6つです。この6つ以外は二重母音とは呼びません。

つまり「二重母音=母音がただ二連続で並んでいる」という意味で使っているわけではないということです。母音が連続で並ぶパターンは他にもたくさんありますからね。

二重母音は更に細かく分類することができ、[-ia], [-ua], [-ưa]は開音節(=母音でおわる単語)の二重母音といい、必ずaで終わります。

一方[-iê-], [-ươ-], [-uô-]は閉音節(末子音でおわる単語)の二重母音といい、必ず末子音を伴う形で終わります。

二重母音の発音は最初の母音をはっきりと長めに発音し、後ろの母音はあいまいに短く発音しなければなりません。つまり「長・短」のパターンです。

開音節の二重母音である[-ia], [-ua], [-ưa]の場合、後ろの短いaの部分は狭くあいまいな形で発音されるので「ơ」の母音のような発音になります。広く大きくあけるaの発音にはならないので注意して下さい。

半母音

半母音とは母音の性質を持つが他の母音と比べて子音的要素の多い音のことです。見た目は母音だけど、子音の要素を持っているから“半(分)”母音だという意味です。

IPA記号(グローバル基準の音声記号)では、「-i, -y」は[j]、「-o, -u」は[w]と表され、[j]と[w]の音素が子音扱いされるので、ベトナム語では「-i, -y」と「-o, -u」を末子音として分類しています。

短いイ

-ui, -ôi, -oi, -ưi, -ai, -ơiのとき → 最後の「i」は短い音の「イ」で、その手前の母音を長く発音します。つまり「長・短」のパターンです。

短いウ

-iu, -eo, -ao, -ưuのとき → 最後の「o」や「u」は短い音の「ウ」で、その手前の母音を長く発音します。これも「長・短」のパターンです。

短・長グループ

1つ目の母音を短く、2つ目の母音を長く発音するパターンです。

半母音

長いイ

-ây, -ay, -uyのとき → 最後の「y」は長い音の「イ」で、その手前の母音を短く発音します。つまり「短・長」のパターンです。

長いウ

-êu, -au, -âuのとき → 最後の「u」は長い音の「ウ」で、その手前の母音を短く発音します。これも「短・長」のパターンです。

介母音

介母音とは通称「わたり音」ともいい、頭子音(単語の最初に来る子音)と、主母音(メインの母音)を仲介する母音のことをいいます。子音と母音の橋渡し役の母音だと思ってください。

ベトナム語の介母音は「o」と「u」で表記されます。

短・長グループに属する介母音

-oa, -oe, -uy-, -uê, -uơのとき → 1つ目の母音の「o」および「u」は短く2つ目の母音を長く発音します。つまり「短・長」のパターンです。

先頭にoaがきてかつ末子音の-nhがついたoanhなどの単語は末子音-nhの直前の母音が短母音で発音されるというルールにより、例外的にoaの部分が「短・短」になります。

oanh

qu-系

子音の[q]にくっついている母音の[u]も介母音として扱われます。子音の[q-]は必ず[u]とくっつくので「クゥ(南部ではウゥ)」という発音しかありません。

qua, quy, que, quê, quơ, quôのとき → 1つ目の母音の「u」は短く、2つ目の母音を長く発音します。これも「短・長」のパターンです。

短・短グループ

両方の母音が短・短となるパターンもあります。ただしこのパターンは非常に少なく、介母音の-oă-, -uâ-とqu-系のquâ-, quă-の4つしかありません。

介母音

-oă-, -uâ-のとき → 両方の母音を短く発音します。「短・短」のパターンです。

qu-系

quâ-, quă-のとき → 1つ目の母音の「u」は短く、その後ろの母音も短母音なので短く発音します。つまりこれも「短・短」のパターンです。

おまけ soóc, xoongてどう発音するの?

soóc(quần soóc=半ズボン), xoong(=シチュー鍋)とかいう単語もみたことあるよ。これらの単語の“oo”の部分はどうやって発音するの?

トマト

ooはやや長いoです。soóc, xoongは一文字のsóc, xongよりもoの部分をやや長めに発音すればokです。

ちなみにooのように連続して表記されるのは外来語(soócは英語のshortから、xoongはフランス語のcasseroleからきています)や擬音語などに使用されるのみで、非常に例外的な発音表記です。日常生活で使う単語はsoócとxoongくらいですのでこの2つを覚えておけば十分です。

発音初級者はとりあえず「二重母音」と「長いイ、短いイ」をおさえよ

こんなに母音のパターンがたくさんあって、覚えられないよ!と思うかもしれません。確かにそうです。発音を学びたての人がこの母音の長短の全パターンを覚えるのは至難の技ですし、こんなのいっぺんに勉強したら発音が嫌になります。

発音初級者が覚えておきたい部分は「二重母音」と半母音の「長いイ、短いイ」です。
なぜなら「二重母音」はネイティブの発音に非常に大きな影響を与えており、また「長いイ、短いイ」は少しの違いで単語の意味を大きく変えてしまうからです。

半母音の「長いウ、短いウ」及び「介母音」の部分は単語をたくさん聞いて覚えていけば自然と身についていきます。
仮にこれらの母音の長・短を間違えても意味を変えるほど大きな影響を与えることはありません。

まとめ

まずは「二重母音」と「長いイ、短いイ」をおさえておき、残りの「長いウ、短いウ」と「介母音」はたくさんの単語の発音経験の蓄積によって徐々に覚えていきましょう。

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