慣用句から学ぶベトナム語第二弾です。第一弾はコチラ
今回は「nhập gia tùy tục」という慣用句を紹介します。
語彙解説
nhập gia=家に入る
まずnhậpは「入る」、giaは「家」という意味になるのでnhập giaで「家に入る」となります。
ここでベトナム語を勉強している人なら「あれ?入るはvàoで、家はnhàじゃないの?」と思ったかもしれません。
もちろんそれも正解です。vàoやnhàは純越語(純粋ベトナム語)で日常的に使う「入る」や「家」の単語です。一方でnhậpやgiaは漢越語で書き言葉での「入る」や「家」です。nhậpの漢字は【入】、giaは【家】となります。
ベトナム語は同じ意味でも純越語(話し言葉)と漢越語(書き言葉)の二種類に分かれる場合があります。今回の場合はnhập=vào、gia=nhàとなります。
漢越が持つイメージについてもっと詳しく知りたい人はvol.55 漢越の持つイメージを参考にして下さい。
tùy tục=習慣に従う
tùyは「従う」、tụcは「習慣、風習」という意味になります。この二つも漢越語でtùyは【随】、tụcは【俗】の漢字がつきます。tùy tụcは「tùy theo phong tục(=風習に従う)」を省略した形になります。
慣用句の意味
以上のことから「nhập gia tùy tục【入家随俗】」を訳すと「家に入ったらその家風に従え」となります。つまり日本語でいうところの「郷に入っては郷に従え」と同じです。日本語の「郷」がベトナム語では「家」に変わっただけなので覚えやすいですね。
nhập gia tùy tụcしない在ベトナム日本人…
これは個人的な感想ですが、ベトナムに住んでいる日本人は郷(ベトナムの習慣)に従っていない人が多いように思います。一番わかりやすい例で言うとベトナムに住んでいる多くの日本人はベトナム語が話せないし、はなから話そうという気のない人がたくさんいます。
旅行とかの短期滞在なら別に無理してベトナム語を話さなくてもいいと思いますが、少なくとも1ヶ月以上滞在する人やベトナムに何度も訪れる人ならベトナム語は勉強すべきだと思います。
日本人はよく日本に来てる外国人に対して「日本に来てるなら日本語話せ!」とか言っているわりには、逆の立場になったら「英語で十分だし」なんて言うのはなんか矛盾してますよね?
ベトナムに住んでいる日本人のみなさん、せっかくベトナムにいるならベトナム語くらい勉強しましょ…
”nhập gia tùy tụcしない在ベトナム日本人…”
Tomatoさんの個人的な感想と同じことをいつも私も感じます。
ミスしたら恥ずかしいと思う国民性、英語だけで手一杯だったからお腹いっぱい、という日本人側の事情もわからなくはないですが、
英語だけの日本人と現地語も話す日本人だと、同じ職場に同じ期間いたとしても、最初はベトナム人側は同じように接してきますが、時間が経つにつれ、自然とベトナム人のとの付き合い深さ、声かけられる頻度に差が開き、気づいたら仕事・職場・関係者等に関する情報量まで比較にならないほど差がついてることに最近気がつきます。なんせこちらから情報を取りにいかなくても自然と入ってくるので。
おっしゃる通りです。ベトナム語を勉強しなくてもベトナムで生活できているからいらない、と言う人もいますが知らぬまに損をしているんですよ。
ベトナムにいるなら現地語を理解できるように努力する。その当たり前のことができていない人が多いんですよね。