vol. 347 テトで覚えておきたい用語8選

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ベトナムではもうすぐテト(Tết)と呼ばれる旧暦の正月がやって来ます。

ベトナムの街はすでに正月ムード一色で、トマトが現在住んでいるダナン市でも家に飾るための金柑(quất)の木や菊の花(hoa cúc)があちのちで売られています。

まぁ毎日が休日気分のトマトにとっては旧正月の特別感みたいなものはあまり感じられませんが、ベトナム中が浮足立っているこの雰囲気は嫌いではありません。

そのテトには独特の習慣があり、普段見慣れないベトナム語もたくさん出てきます。

そこで今回はテトの文化を知るための8つのベトナム語を紹介します。
文化の紹介というよりはベトナム語そのもののに焦点を当てて解説したいと思います。

テト(Tết)という単語について 〜テト(Tết)=旧正月ではない!?〜

まずテト(Tết)という単語はもともとは「季節の変わり目、節句」という意味で、いわゆる旧正月という意味の「Tết」は省略された言い方です。正しくはTết Ta, Tết âm lịch, Tết Nguyên Đánなどと言います。

Tếtという単語も、もとは tiết【節(セツ)】という漢越語が変化したものです。【節】という漢字には「季節の区分」という意味があります。

Tếtの発音に関しても最後の子音[-t]は音を出さないのでベトナム人は「テッ」みたいに発音します。残念ながら「テト」と言ってもベトナム人には通じません。

「テト」は狭いベトナム在住の日本人界隈でしか通じない単語だと思ってください。

テトで覚えておきたい用語8選

①ông Công, ông Táo=かまど・台所の神様

陰暦の12月23日にかまど(台所)にいる神様が天に帰り、その家庭の一年の出来事を天の皇帝に報告すると言われています。

そこでかまどの神様が天の皇帝に家庭の悪いことをチクらせず、気持ちよく送り返せるために、台所の掃除をしたりお供え物をしたりする習慣があります。
その「かまど・台所の神様」をông Côngやông Táoと言います。

ôngは通常「おじいさん」という意味で、かなり年上の男性に使う二人称ですが、神様などの空想上の人物にも使うことができます。

ちなみにtáoは【竈(カマド)】という漢越語ですが、日常生活では「リンゴ」や「便秘する」という意味のほうがよく使います。

ông Táoは決して「便秘の神様」ではありませんので気を付けて下さい(笑)。

②bánh chưng / bánh tét=バインチュン / バインテト

bánh chưngは豚のバラ肉が入ったチマキで、テトを代表する料理です。南部ではbánh tétとも言います。

bánhのコアは「粉もの(主に米粉)を使って調理した食品」です。

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chưngは「蒸気を通す」という意味もありますが、単体ではあまり使いません。

ちなみに北部のbánh chưngは四角い形で、南部のbánh tétは丸い形をしています。

じゃあ中部では?……

両方の形が売ってました(笑)。

③mâm ngũ quả=5種類の果物

mâmという大きなお盆の上に5種類の果物を家にお供えする習慣があります。

ベトナム語のポイントは5をnămではなくngũという漢数詞で表現しているところです。quảも【果】という漢越語です。

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漢数詞や漢越を使うことにより、伝統的なイメージや厳かな感じをもたせることができるということも覚えておきましょう。

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④tất niên=年納め、忘年会

陰暦の12月30日の午後にその年の締めとして、先祖にお供え物をする習慣をtất niênといいます。

tất niênもまた漢越語で【畢年】と書きます。【畢(ヒツ)】という漢字には「終える」という意味があります。

また、俗っぽい使い方として会社の忘年会などの年末のパーティーのことをtiệc tất niên(tiệc=パーティー)とも言います。

ちなみに最近トマトが住んでいる所の近くのホテルでtiệc tất niênが開催され、カラオケなどで大爆音が鳴り響いて超迷惑でした。

⑤giao thừa=除夜、大晦日(おおみそか)の夜

giao thừaとは今年最後の日の夜に、今年の悪かった出来事を捨て、新年を明るく幸せに迎えるためにお供え物をして祈る儀式のことです。
ベトナム人はお供え物が本当に好きですね。

giao thừaはよく「大晦日」と訳されますが、厳密には「大晦日の夜12時ちょい手前のほんの数分」をさします。だから正式には「夜」という単語をつけてđêm giao thừaと言います。

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ちなみにgiao thừaは漢越語で【交承】と書きます。「交わって受け継ぐ」というかんじから「大晦日の夜」という意味を連想できますね。

また、giao thừaはtrừ tịch【除夕(ジョセキ)】とも言います。除夕とはいわゆる除夜のことです。

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⑥hái lộc=新芽を摘む

hái lộcとはgiao thừaの儀式後や新年の朝に、お寺や神社などにある木の枝をむしり取って新年の願い事をし、家にその枝を持ち帰る習慣のことをいいます。

háiは「摘(つ)む、摘み取る」という意味で、花や果物や葉などの植物に対してしか使われません。

そしてlộcは「木や草の新芽」という意味です。
lộcは漢越の【禄(ロク)】ともかかっています。【禄】とは「天から授かった幸福」という意味です。

つまり「hái lộc=新芽を摘む」ことは「幸福(=lộc【禄】)を掴み取ること」と同義だと考えられているわけですね。

ここらへんの理屈は漢越の知識がないとわかりませんね。漢越を知っているとこういった文化用語の理解を深めることもできます。

⑦xông đất=年始の最初の客

xông đấtとは新年に最初に家に来た人の性質によって、その家の一年の運勢が決まるという習慣です。xông nhàともいいます。

通常xông đấtに来る人をその人の年齢(その年の干支との相性)や性格(明るい性格であれば良いとか)、健康状態(本人が元気か)や家庭状況(家族で病気の人はいないかなど)などを加味して、あらかじめ隣近所や親戚などと相談して決めます。

要するに家に幸せを運ばせるために、幸せそうな人を1番最初の客として出迎えようということです。

一年の運気を左右する人物を、前もって人為的に操作して運勢を無理やり決めてしまおうというスタイルがなかなか大胆でトマトは好きです(笑)。

⑧mừng tuổi / lì xì=年を重ねたことを祝う / お年玉を与える

mừng tuổiとは新年に大人が子供に年を重ねたことを祝い、お年玉(lì xì)を与える習慣のことです。通常、年を祝うこと(mừng tuổi)とお年玉(lì xì)を与える行為はセットで行われるため、mừng tuổiとlì xìは同じ意味で使われます。

日本だと年を重ねるのはその人の誕生日を境にしますが、ベトナム人(特に年配の方)の中には旧正月を境にして年を1つ重ねる人もいます。

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つまり旧正月の元旦がみんなの誕生日で、プレゼントにlì xìをあげるのだと考えて下さい。

ちなみに29歳になるトマトはつい最近まで96歳のおばあちゃんからお年玉をもらってました(笑)。

 

まとめ

①ông Công, ông Táo=かまど・台所の神様
②bánh chưng / bánh tét=バインチュン / バインテト
③mâm ngũ quả=5種類の果物
④tất niên=年納め、忘年会
⑤giao thừa=除夜、大晦日の夜
⑥hái lộc=新芽を摘む
⑦xông đất=年始の最初の客
⑧mừng tuổi / lì xì=年を重ねたことを祝う / お年玉を与える

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