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vol.57 漢越語の学習法

ベトナム語の勉強では常に漢越を意識しなければなりません。では具体的にどう勉強すればよいのでしょうか。

おすすめしない漢越語の学習法

よくありがちなのが【王】=vương、【学】=họcというふうに1つの漢字に1つのベトナム語をセットで覚えていくという方法です。

以前トマトは日本の常用漢字約2000語を全部漢越語に直し、1つの漢字に1つのベトナム語の要領で漢越2000語を頑張って全部覚えようとしたことがあります。

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当時作った漢字とベトナム語の対応表

しかし勉強していくにつれ、この勉強法はものすごく大変なわりにあまり効率が良くないことに気づきます。理由は以下の通りです。

①1つのベトナム語に複数の漢字があるパターンがある

例.vũには【武、宇、羽、舞、雨】の5つの漢字があてはめられます。

②1つの漢字に複数のベトナム語のパターンもある

例.【分】という漢字にはphân, phần, phậnの3つのベトナム語があります。

③日本語でよく使う漢字でも、その漢越語はほとんど使わない場合がある

例.日本語で【早】という漢字はよく使ってもそれに対応するベトナム語のtảoはほとんど使いません。

必ずしも1つの漢字に1つのベトナム語というわけでもなく、覚えても実際には使わない漢越語が多々あったりして、この方法は勉強にかける時間の割にあまり成果が出ませんでした。「1つの漢字に1つのベトナム語」式勉強法はおすすめしません。

辞書を引くことから始めよう

1つの漢字に1つのベトナム語で漢越語を覚えていく方法がだめなら一体どうやって漢越を覚えていけばいいのでしょうか。

トマトがおすすめするのは「出会った単語を越日辞書で調べ、漢字と単語の意味をセットにして覚える」という方法です。

例えば、giải thíchという単語に出会い、それを辞書で調べます。意味が「説明する」、漢字が【解釈】、とのっています。

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その時に[giải thích=【解釈】=説明する]というふうに、[ベトナム語ー漢字ー意味]の3点セットで覚えます。【解】=giải、【釈】=thíchと単体で覚えるよりも単語や意味とセットで覚えたほうが実用的だし効率良く漢越語を覚えられます。

辞書でいちいち漢字があるかどうかを調べるのは地道な作業で最初は大変ですが、ある程度漢越語を覚えてくると、この単語は漢越語っぽいなとか、この単語は純粋ベトナム語っぽいなとかの感覚がわかるようになってきます。

まとめ

・漢越の勉強はまず辞書を引くことから始め、[ベトナム語ー漢字ー意味]の3点セットで地道に覚えていこう。

8件のコメント

いつもありがとうございます。

中国大陸で隋唐王朝が成立して呉音と漢音が混在した時、朝鮮半島(新羅)では漢字の音を漢音に統一したが(1字1音)、日本では(仏教会が統一に反対したため)混在のままと司馬遼太郎の『街道をゆく』にありました。

ベトナムは後者のケースなのですかね。

体系的にベトナム語を勉強していなかったのですが、最近、単語を覚えるときに漢越語を意識するかどうかで効率が全く違うことに気づきました。
もっと早く知っておけばよかった・・・。

いつもありがとうございます。

中国大陸で隋唐王朝が成立して呉音と漢音が混在した時、朝鮮半島(新羅)では漢字の音を漢音に統一したが(1字1音)、日本では(仏教会が統一に反対したため)混在のままと司馬遼太郎の『街道をゆく』にありました。

ベトナムは後者のケースなのですかね。

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