ある宝くじ売りの記事を翻訳してみました。読解や単語の勉強にお使い下さい。最後にはコラムとしてトマトの宝くじ売りに関する見解も載せておいたので合わせてお読み下さい。
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[翻訳] Chú chó đi bán vé số giúp chủ ở Cà Mau khiến nhiều người rưng rưng カマウ省で飼い主のために宝くじを売る犬に人々が感動
・vé số=宝くじ
・khiến S+V=SをVさせる
・rưng rưng=目に涙があふれる、涙をながす
Những ngày qua cộng đồng mạng xôn xao, thích thú trước hình ảnh chú chó đi bán vé số giúp chủ ở Cà Mau.
最近カマウ省で犬が飼い主のために宝くじを売っている写真がネット上で人気を呼んでいる。
・cộng đồng mạng=インターネット
・xôn xao=にぎやかな、騒々(そうぞう)しい
・thích thú=おもしろい
Ngày 8.4, ông Nguyễn Văn Nghị, chủ nhân của chú chó bán vé số gây xôn xao cộng đồng mạng thời gian qua kể: “Tôi rời quê Sóc Trăng đến Cà Mau làm thuê, khi đi tôi đem theo con chó để bầu bạn, tôi đặt tên nó là Nô”.
4月8日、ネット上で人気の犬の飼い主であるグエン・バン・ギーさんはこう語る:「私が仕事のために故郷のソクチャン省からカマウ省に来た時、付き添いとして犬を連れてきたんです。そしてその犬の名前を“ノ”と名づけました。」
・chủ nhân=主人
・gây=引き起こす
・làm thuê=(雇われて)働く
・đem theo=連れて行く、持ってくる
・bầu bạn=友達
※犬の代名詞にはよく“nó”が使われます。
Ông Nghị cũng cho biết là chó Nô năm nay được 16 tuổi. Khi chó được 7-8 tháng tuổi là ông tập luyện cho chó Nô ngậm đồ đạc.
ギーさんは今年ノくんが16歳になるということも教えてくれた。ノくんがまだ生まれて7~8か月の時、ギーさんはノくんに物をくわえる練習をさせた。
・cho biết=知らさせる→教える
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・ngậm=くわえる・đồ đạc=物
“Lúc đầu con Nô chỉ giúp tôi xách đồ thôi. Hằng ngày tôi đi bán vé số cũng cho Nô theo nhưng cách đây hơn 2 tháng, do bán vé số ế quá nên tôi nghĩ ra chuyện cho Nô ngậm vé số đi bán thử.
ギーさんは話を続ける:「最初、ノくんは物をくわえるだけでした。そして毎日私は宝くじを売る時にノくんを連れていきました。しかし2か月ほど前、宝くじがほとんど売れなかったため、ノくんに宝くじをくわえさせて売ってみることを思いつきました。
・xách=(手で)運ぶ
・ế=物が売れない、売れ残りの
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・nghĩ ra=思いつく、考え出す記事を取得できませんでした。記事IDをご確認ください。
Không ngờ có nhiều người mua, giờ hằng ngày tôi đi bán vé số cùng chú chó cưng, mỗi ngày nó bán được khoảng 300 tờ vé số. Mỗi sáng hay chiều thấy tôi chuẩn bị đồ đi bán là Nô biết liền, chạy theo”, ông Nghị kể tiếp.
驚いたことに多くの人から宝くじを買ってもらいました。今、私とノくんは毎日一緒に宝くじを売っています。ノくんは1日当たり宝くじを約300枚も売ります。毎日私が宝くじを売りに行く準備をすると、ノくんはすぐに察知し、私についてくるんです。」
・Không ngờ=思ってもない、考えもしない→驚いたことに
・cưng=かわいがる
・V liền=すぐにVする
Hằng ngày ông Nghị ăn gì thì chó Nô ăn nấy nhưng từ lúc đi bán vé số đến nay có thêm thu nhập nên khẩu phần ăn của Nô cũng khá hơn.
毎日ギーさんが食べる料理をノくんも食べていた。しかしノくんが宝くじを売り始めてから収入が増えたため、ノくんの食事は豪華になった。
・khẩu phần=食事
Bữa sáng của Nô là sữa, rồi sau khi bán xong buổi sáng thì ông Nghị ghé vào chợ mua thịt để “bồi dưỡng” cho chó cưng.
ノくんは朝食の牛乳を飲み、午前の宝くじ売りが終わった後、ギーさんはノくんへの「栄養補給」のために、市場で肉を買ってあげている。
・ghé=立ち寄る
・bồi dưỡng=養(やしな)う、養成する
引用元
Thanh niên「Chú chó đi bán vé số giúp chủ ở Cà Mau khiến nhiều người rưng rưng」
[コラム]宝くじ売りの闇
宝くじ売りの1枚あたりのもうけはいくら?
この記事自体は何だかほのぼのとしてて美談のように書かれていますが、実はベトナムの「宝くじ売り」は非常に闇が深い職業です。
ベトナムを訪れたことがある人なら宝くじを歩いて売っている人を見たことがあると思います。
その売っている人を見ると、身なりがみすぼらしかったりするなどほとんどが貧しい人達です。
中には幼い子供や障害者など、普通の仕事に就けないような人達も宝くじを売っていたりします。
彼らは宝くじ代理店(đại lý vé số)から宝くじの販売を委託され、1日中街を歩き回って直接人々に宝くじを売ります。
宝くじは一枚10,000ドン(50円)です。
では彼らは宝くじを一枚売るといくらの利益を得られるか知っていますか?
なんとたったの1,000ドン(5円)です!
たったの1割ですよ。残りの9割は代理店や胴元の宝くじ会社に持っていかれます。
記事にあるノくんとギさんが1日300枚を売っているとありましたが、彼らがこれだけ頑張っても手取りは1日たったの1500円です。
そもそも300枚売るというのは相当すごくて、普通の宝くじ売りの人は1日にこんなに売れません。上手い人でも調子が良い日で1日100枚(500円)、平均として数十枚程度、1日数百円を得るのが限界です。
また、代理店から委託されている人は1日に規定の枚数を売らないと残りの分を自分が買い取らされたり、罰金を払わされたりもします。
宝くじ売りは非常に過酷な職業なのです。
貧困のループ
そもそも宝くじの正式名称は「Xổ số kiến thiết(=国家建設宝くじ)」といいます。宝くじの発行元は各省・各中央直轄市の宝くじ会社で、いわゆる国営ビジネスの1つです。
この宝くじで得られた資金で国を建設し、地域社会の発展のために使用されるという名目ですが、実際得られた利益の使い道は非常に不透明で、過去に宝くじ会社で不正が発覚され、社会問題にもなりました。
つまり末端にいる宝くじ売りの人が搾取され、大元の国が金を吸い上げるという構造になっています。構造上宝くじ売りの人が貧困から抜け出すのは非常に困難です。
トマトがはじめて留学でホーチミンに来たときに見かけた宝くじ売りの人が、その3年後にもまだ同じ場所で売っていたのを見た時にはなんともいえない悲しい気持ちになりました。
確かに宝くじが働き口のない障害者の人たちに雇用を作っていたり、宝くじ代理店などが彼らに住む場所や食事を提供している例もあったりするなど「貧困層の最後のセーフティーネット」として機能しているのも事実です。
しかしそれでも国が貧しい人から搾取し、自ら「貧困のループ」を作り出しているのもまた事実です。
夢を売るという宝くじは、その裏に多くの人の「悪夢」を抱えているのかもしれません。
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