không ngonとdởは同じではない!?
ある形容詞の対義語とその否定表現は理論上は同じ意味になりますが、実際にはその程度表現には差があります。
例えばngon(おいしい)の対義語はdở(まずい)です。そしてその否定表現のkhông ngon(おいしくない)は理論上はdởと同義になりますが、実際は少し違います。
例えばベトナム人が料理を食べて「まずい」と表現したい場合はdởという直接的な表現を避け、không ngon(おいしくない)をしばしば使います。dởを使う場合はよほどまずい時にしか使いません。ベトナム人が思う「まずい」はkhông ngonなのです。
つまり実際にはkhông ngonのほうがdởよりも程度としては少し上(おいしさ度が上)だということになります。
他の例でも同じです。例えばthích(好き)の対義語はghét(嫌う)ですが実際にベトナム人が「嫌い」と表現する場合はkhông thích(好きではない)を普通使います。ghétはよほどそれが憎い場合にしか使いません。
これは否定の形を使うことによって、婉曲的、間接的な表現になり、結果としてその対義語よりも少し程度が弱まるからだと考えられます。
二重否定では程度はどうなるのか?
では二重否定の場合を考えてみましょう。二重否定の作り方は「không phải (là) + 否定表現」です。
例えばkhông phải không ngon(おいしくないわけではない)は程度としてはどのような感じになるのでしょうか?
理論上では二重否定=肯定なので、通常のngonと同義になりそうですが、これもまた程度には差があります。
không phải không ngonは概ねおいしいが、何か一部不満な点が残る場合や、はっきりとおいしいとは言い切れない時などに使います。つまりkhông phải không ngonはngonより程度が少し下(おいしい度が下)だということです。
二重否定の場合には、もとの形容詞がプラスの意味の場合、そのプラスの度合いを少し下げ、もとの形容詞がマイナスの意味の場合、そのマイナスの度合いを少し上げます。わかりにくければkhông phải khôngの部分をhơi(少し)に置き換えてもいいでしょう。
以上のことをまとめると以下のような程度表ができます。1が度合いが最も高く、7が最も低くなります。
まとめ
・形容詞の否定形とその対義語は同じ意味になるとは限らない。
・形容詞の否定形を使うことにより、間接的な表現となるので、結果としてその対義語よりも少し程度を弱めた言い方になる。
参考文献
・ベトナム語の否定・反駁表現 宇根祥夫
東京外国語大学論集第50号(1995)




![vol.258 [トマトのダークツーリズム案内] 僧侶の焼身自殺跡地](https://vietomato.com/wp-content/uploads/2017/07/IMG_20170726_130045-150x150.jpg)

















1. ngon おいしい
2. không phải không ngon おいしくないわけではない
3. không dở まずくない
4. bình thường 普通
5. không ngon おいしくない
6. không phải không dở まずくないわけではない
7. dở まずい