vol. 387 半母音「-i, -y」と「-o, -u」 ~áo dàiを「アーウザーイ」と発音する理由~

スポンサーリンク




半母音「-i, -y」と「-o, -u」の発音のポイントを解説します。

これらの母音はある条件下で、それぞれ長い「イ」と短い「イ」、長い「ウ」と短い「ウ」に分かれます。

この条件を知っているのといないのとでは発音のうまい下手だけでなく単語の意味の区別にも大きく関わるのでしっかりと理解しておきましょう。

半母音「-i, -y」 ~短い「イ」と長い「イ」~

半母音って?

半母音とは、母音の性質を持つが、他の母音と比べて子音的要素の多い音のことです。見た目は母音だけど、子音の要素を持っているから“半(分)”母音だということです。

IPA記号(グローバル基準の音声記号)では、「-i, -y」は[j]、「-o, -u」は[w]と表され、[j]と[w]の音素が子音扱いされるので、ベトナム語では「-i, -y」と「-o, -u」を末“子音”として通常分類しています。

ベトナム語の「i」と「y」のアルファベットは口を横に大きく広いて「イー」と発音します。

この「i」、「y」が単語の最後にきて、かつその手前が母音の場合、「-i」ならば「短いイ」の発音になり、「-y」ならば「長いイ」の発音になります。

一般化すると以下のようになります。

  • 「ー 母音 + i」のとき ➔最後の「i」は短い音の「イ」で、その手前の母音を長く発音する。
  • 「ー 母音 + y」のとき ➔最後の「y」は長い音の「イ」で、その手前の母音を短く発音する。

「i」のアルファベットをベトナム語ではi ngắn(短いイ)、「y」をy dài(長いイ)と言います。

具体例

ちなみに上の例のhaiは数字の「2」という意味で、 hayは「おもしろい」という意味です。

vol.174 thú vịとhayの違い

2017.04.08

最後の「イ」の音が長いか短いかでこれだけ大きく単語の意味が変わってしまいます。音の長短の区別はそれだけ大事なのです。

半母音「-o, -u」 ~短い「ウ」と長い「ウ」~

母音「o, u」が単語の最後にきて、かつその手前が特定の母音の場合、「-o」ならば「短いウ」となり、「 -u」ならば「長いウ」の発音になります。

具体的には以下のようになります。

  • -ao, -eo ➔最後の「o」は短い音の「ウ」で、その手前の母音(a, e)を長く発音する。
  • -au, -âu, -êu ➔最後の「u」は長い音の「ウ」で、その手前の母音(a, â, ê)を短く発音する。

母音の「o」と「u」は通常別の発音をします。しかし、上の条件で半母音となる場合はどちらも「ウ[w]」の音に統一されます。

[w]は日本語の「わ」行よりも口をさらに丸めた音です。おちょぼ口で言う「わ」行だと思ってください。日本語の「わ」行は口が丸み帯びないので、[w]は普通の「わ」行よりも口を狭めて丸くすることを意識して下さい。

ベトナム語の場合は半母音の「-o, -u」は口を丸めて「ウ」と発音するといいでしょう。

具体例

ちなみに上の例のsaoは「なぜ」という意味で、sauは「後(で)」という意味になります。

ただしsaoとsauのように半母音「-o, -u」では長短で対立する単語は少ないので、多少音の長短を間違えても(例えばmèoを「メーウ」ではなく「メウー」と言っても)単語の意味が大きく変わるほどのミスにはなりません。

それよりも声調や通常の母音の発音のほうがはるかに大事なので、発音の基礎ができていなければ半母音「-o, -u」を意識する必要はまだありません。

áo dàiをどこまで正確に発音できるか

ベトナム語を知らない人でも知っている単語「アオザイ」はベトナム語ではáo dàiと書きます。このáo dàiという単語を今回習った半母音の知識を使って正確に発音してみましょう。

vol.231 「アオザイ」から学ぶベトナム語

2017.06.21

áoには半母音の「-o」があります。aの部分をやや長く、oの部分をやや短めに「ウ」と発音します。つまり「アーウ」のように言わなければなりません。

そしてdàiには半母音の「-i」があります。aの部分をやや長く、iの部分をやや短めに発音します。つまり「ザーイ」のように言わなければなりません。

そうするとáo dàiは「アオザイ」ではなく、「アーウザーイ」のように母音の長短を意識して発音しなければならないということです。

今回は便宜的にわかりやすく示すためにカタカナで表記していますが、基本的にはベトナム語は絶対にカタカタで覚えないで下さい。

まとめ

「母音の長さの区別」は「発音の区別」でもあり、同時に「意味の区別」もしています。

半母音による長短の「イ」「ウ」の区別は最初は忘れがちになってしまうので、実際の単語を使って慣れるまで意識して発音の練習をしましょう。

  • 「ー 母音 + i」のとき ➔最後の「i」は短い音の「イ」で、その手前の母音を長く発音する。
  • 「ー 母音 + y」のとき ➔最後の「y」は長い音の「イ」で、その手前の母音を短く発音する。
  • -ao, -eo ➔最後の「o」は短い音の「ウ」で、その手前の母音(a, e)を長く発音する。
  • -au, -âu, -êu ➔最後の「u」は長い音の「ウ」で、その手前の母音(a, â, ê)を短く発音する。
  • 母音の「o」と「u」は通常別の音で発音されるが、半母音となる場合はどちらも「ウ[w]」の音に統一される。
  • áo dàiは「アオザイ」ではなく、「アーウザーイ」のように母音の長短を意識して発音しなければならない
Pocket

スポンサーリンク




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください