今回は「tốt gỗ hơn tốt nước sơn」という慣用句を紹介します。これは日本語に訳せば誰でも知っている有名な慣用句になります。一緒に考えてみましょう。
語彙解説
tốt gỗ=良い木材
tốtは「良い」、gỗは「木材」です。なのでそのまま「良い木材」となります。
確かに普通なら形容詞は後ろから前の名詞にかかりますがtốtという形容詞はtốt bụngやtốt trờiみたいに前から後ろにかかる表現が多く、やや特殊な使い方をする形容詞です。特に慣用的な表現ではtốtは前から後ろにかかる場合が多いです。少し注意しましょう。
hơn=(~より)まさる、優越する
ここでのhơnは動詞として使われています。
tốt nước sơn=良いペンキ
この場合もtốtは前から後ろにかかっています。nướcは「水」、sơnは「ペンキ」なのでnước sơnで「ペンキの液」となりますがここでは簡単に「ペンキ」と訳して大丈夫でしょう。
慣用句の意味
以上のことから、「tốt gỗ hơn tốt nước sơn」で「良い木材は良いペンキより勝る」です。もっと簡単に「良いペンキより良い木材」と訳してもいいでしょう。
少し考えてみましょう。ペンキが塗られた木材があるとします。ペンキは木材の外側に必ず塗られます。つまり木材は中身、ペンキは外身を表します。「良いペンキより良い木材」というのは「外観よりも実質を重んじる」ということの例えです。
そう。「tốt gỗ hơn tốt nước sơn=良いペンキより良い木材=花より団子」です。
実際にベトナムの家は見た目は立派なものが多いですが、中身はただレンガを積み上げてセメントで固めて作られたものがほとんどです。日本みたいな地震もほとんどないので鉄筋などもまず入っていません。日本の家と比べたらベトナムの家の中身は相当しょぼいです。それでも綺麗に塗装されてしまえばわかりません。ベトナムの家を見る時はまさに「tốt gỗ hơn tốt nước sơn」の心がまえで眺めたほうがいいですね。
まとめ
・tốt gỗ hơn tốt nước sơn=良いペンキより良い木材=花より団子