「ベトナム語では発音が何よりも大事」。繰り返しこのブログで言ってきたことですが、その理由を今回は「表意文字と表音文字」というアプローチから説明したいと思います。
表意文字とは
表意文字とは「意味」を表す文字のことです。文字一つ一つに意味があるため、文字を見るだけでその文字が伝えたい意味がわかります。
例えば「海豚」という漢字を見てください。この文字の読み方を知っている人は少ないでしょう。しかし意味は漢字をみればなんとなくわかります。「海」の「豚」とあるので海の中にいる何らかの生物だということが推測できます。
このように「読めないけど意味は見ればなんとなくわかる」というのが表意文字の特徴です。ちなみに「海豚」は「いるか」と読みます。
もっとわかりやすい表意文字の例があります。それは「顔文字」です。
例えば(^_^)という顔文字を見てください。みなさんはこの顔文字を見るだけで「笑っている、うれしい、楽しい」などの意味をとることができます。
しかし(^_^)の顔文字を発音してください、と言われたらどうでしょうか。(^_^)の顔文字は音を表す文字ではないので発音することができません。
このように「文字を見れば意味がわかる」文字を表意文字と言います。
表音文字とは
表音文字とは「音」を表す文字のことです。文字一つ一つが音を表しているので、文字を見るだけでその文字が伝えたい「音」がわかります。
表音文字の代表例としては日本語のひらがなや英語のアルファベットがあげられます。例えば「あ」というひらがなは「a」という読み方を表す文字です。「あ」という形そのものに意味はありません。ただ発音の仕方を表しているだけです。
また、英語の「chamfer」という単語を見てください。この英単語の発音は誰でも簡単にできるでしょう。しかしこの単語の意味は?と聞かれたらどうでしょうか。「chamfer」という文字をいくら見ても意味はわかりません。文字からわかるのは意味ではなく発音の仕方だけです。ちなみに「chamfer」は「面取りする」という意味です。
このように「文字を見れば音がわかる」文字を表音文字といいます。
ベトナム語は表音文字
ベトナム語は英語と同じ表音文字です。だから表音文字の決まりに従えばベトナム語の文字を見て音がわからなければなりません。例えば「nguyễn」という文字を見てnguyễnという文字が表す音のしくみを理解し、瞬時に発音ができないといけません。意味はあと回しで全然かまいません。nguyễnという文字の連なりと音を結び付けるのが先です。
ベトナム語は表音文字であり、文字そのものが発音法則のかたまりです。だからこそ音のしくみ(発音)の勉強を何よりも優先させなければならないのです。
まとめ
・表意文字=文字が意味を表す。
・表音文字=文字が音を表す。
・ベトナム語は表音文字でできている。
・だからベトナム語の文字を見て音のしくみが理解できるようにならなければならない。
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