定期購読マガジン「トマトのベトナム語学習ラボ」はこちら

vol.73 発音はいくつ覚えればいいの?

発音ルールは全部で51個

前回の「vol.72 発音は4つのパーツを覚えよ」で見たようにベトナム語の単語は[①頭子音+②母音+③末子音+④声調]の4つのパーツからできています。ベトナム語の発音がきちんとできるようになるためにはこの4つの要素をそれぞれ覚えなければなりません。

では覚えるべきこの4つのパーツは全部でいくつあるのでしょうか。
の頭子音は24個、②母音は11個、③末子音は10個、④声調は6個あります。24+11+10+6=51で全部で51個になります。ただし頭子音は英語のアルファベットの発音と同じものも結構あるので、日本人が新たに覚えなければならない頭子音の発音は半分の12個くらいになります。

そうするとトータルで新たに覚えなければならない発音ルールは約40個になります。この40の発音ルールを覚えてしまえばすべてのベトナム語の発音ができるようになります。1000個の単語よりも、難しい文法項目よりも、気の利いた会話表現よりもこの40の発音ルールを覚えるほうが先です。

40の発音ルールを覚えさえすれば…!?

この40の発音ルールを覚えれば数万語とあるすべてのベトナム語が読めるようになります。これはベトナム語を読む上でものすごい有利なことです。なぜならそのルール通りに従って発音すればベトナム語で書かれたあらゆるものを読むことができるからです。ベトナムの新聞だって難しい文学小説だって(意味はわからないにしても)一応きちんとした発音で読むことができます。例外的な読み方もほとんどないのできちんと40個の法則に従っていれば必ず読めるようになります。

逆に日本語だとこうはいきません。どんなに日本語の上手な外国人でも日本の新聞や小説を一字一句読み方を間違えずに読める人などまずいないでしょう。常用漢字だけでも約2000語あり、音読み訓読みなど合わせたら読み方はその数倍に膨れ上がります。数千もの読み方のパターンを間違えずに読むのは外国人にとっては至難の技です。

一方ベトナム語の読み方のルールはたったの40個です。日本語と比べるとベトナム語のリーディングは非常に簡単なのです。

とりあえず17個!!

発音のルール40個を先に覚えよ!、と言うと、ベトナム語を勉強してる人から「そんな簡単にできねーよ!」とツッコミが聞こえてきそうです。そう、確かにこの40個のルールを覚え、身につけるのはベトナム語の勉強の中で一番難しいといっても過言ではありません。たかが40個と思うかもしれないけど実際にやってみるとそう簡単に物事はうまく運ばないのがベトナム語の学習です。

毎日真面目に取り組んだとしても40個のルールを身につけるのにたぶん最低でも3ヶ月以上はかかるでしょう。そしてこの3ヶ月の発音漬けに耐えられる人はなかなかいません。大体途中であきらめてやめてしまう人がほとんどだと思います。

だからまず発音の核となる6個の声調と11個の母音をとにかく先に覚えることが大切です。数が多くて難しい頭子音、末子音の発音は文法や単語など他の分野の勉強と平行しながら徐々に覚えていくのが現実的でしょう

そうすれば約6ヶ月くらいで発音ルール40個と文法の基礎、基本単語は身につけられるはずです。

まとめ

・ベトナム語の発音ルールは全部で51個
・そのうち日本人が新たに覚えなければならないのは約40個
・40個の発音ルールを覚えればすべてのベトナム語が読めるようになる
・40個のルールのうち声調6個と母音11個の計17個のルールを先に覚えること