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vol.457 トマトはどのようにベトナム語を勉強してきたのか?

この記事はトマトのYouTube動画で評判が良かったものを文字起こしし、わかりやすく加筆修正したものです。ベトナム語学習の参考にしてください。

動画版はこちら↓

Twitterでの質問

先日TwitterのDMにこのような質問がありました。

「私も田畑さんみたいにベトナム語を流暢に話せるようになりたいのですが、田畑さんはどのようにしてベトナム語を身につけたのですか?すごく知的な喋り方をされ、頭の良さを感じるので大学で少し学んで、現地に行って覚えたのかな?と勝手な想像はしています」

要するに、どのようにしてベトナム語を身につけてきたのかということを聞きたい訳ですね。その質問に答えていきたいと思います。

ベトナム語に出会ったきっかけ

まずトマトがベトナム語を学ぶようになったきっかけを見ていきましょう。

2011年、大学1年生の時です。琉球大学でベトナム語の授業を取ったのが最初のきっかけでした。

最初のオリエンテーションで第二外国語の授業の選択に迷っている時に、先輩から「ベトナム語の授業は面白いよ」とか、「このベトナム語の授業は簡単に単位が取れるよ」などという大学生にありがちな単純な理由を真に受け、適当な感じで受けたのがベトナム語との最初の出会いでした。その時は特に外国語学習に興味関心はありませんでした。

そして、そのたまたま取ったベトナム語の授業が先輩の言う通り非常に面白い授業でした。

その授業はベトナム語に関することだけでなく、ベトナム語を通してベトナムの文化、歴史、習慣などを面白おかしく紹介するような非常に魅力的な授業でした。

その授業に魅了されたトマトは次第にベトナムに関して興味関心を持つようになっていきます。

その授業の詳細は下の記事からどうぞ↓

ただ、興味関心を持つようになったといっても、大学1年のときにはそのベトナム語の授業を大学の単位のためにとっていたただけで、授業時間以外に別にベトナム語の勉強をしていた訳ではありませんでした。

ベトナムへのインターンシップ

本格的にベトナム語にはまるきっかけとなるのは大学2年の2013年の2月、沖縄県の海外短期インターンシップ事業でベトナムに行ったときでした。

ただこれも最初は単に授業でベトナム語を取っていたからベトナムに漠然と関心があり、かつ沖縄県主催のインターンシップなので、宿泊費などを沖縄県が負担してくれて安くベトナムへ行けるからという単純な理由でした。こうして特にあまり深く考えずにベトナムに行くことになります。

そして、そのインターンシップのプログラムの1つに、さくら日本語学校とホーチミン市師範大学の学生と交流するプログラムがありました。

当時トマトは一応大学でベトナム語の授業はとっていたので、簡単な挨拶ぐらいはできました。その時はxin chàoやtôi tên là~位しか言えないレベルでしたが、自己紹介の時に試しにベトナム語で挨拶をしてみました。

するとベトナム人の学生が拍手喝采してすごく喜んでくれました。

その時は発音も下手で、本当につたないベトナム語だったのですが、自分のベトナム語が通じたということと、学生がすごく喜んでくれたということに非常に感動したのを覚えています。

それをきっかけに、もっとベトナム語を勉強すればベトナム人をもっと笑顔にでき、喜ばせることができるのではないかなと思い、そこでトマトは覚醒する訳です。覚醒、つまり本気で勉強をしようと思ったわけです。

本格的な勉強の開始

インターンシップから帰ってきた2013年の4月、トマトは本格的にベトナム語の勉強をし始めます。まず最初にトマトは発音のやり方を徹底的に勉強しました。

これはインターンシップの時に既にベトナム人にカタカナ発音は通じないということが経験でわかっており、発音学習の重要性を感じていたので発音のやり方を理論的に分析する勉強をし始めます。

ちなみに、これがその時に作った発音の分析ノートです。

こういう風に、日本語でしっかりと理論的にどうやればいいのかということを自分なりに研究した結果をノートにまとめていきました。

これがトマトのベトナム語発音大全の元の元となっています。
このように自分なりに日本語でベトナム語の発音を理論化させるという作業をまず行いました。

そして次にやったことが、『詳解ベトナム語辞典』の購入です。川本邦衛先生の3万円もする1番高い辞書を速攻で買います。この「速攻で」というのが大事です。

本格的にやろう、本気でベトナム語を勉強しようと思ったときにトマトはすぐに買いました。

ベトナム語の辞書はかなり高いから買いしぶるような人や、ベトナム語の勉強期間が長いのにまだ辞書を持っていない人などが結構いますけど、それは非常にもったいないことです。

だから、本気でやろうと思ったら辞書はすぐに買った方が良いと思います。

また、発音学習と同時に、インターンシップの時に出会ったベトナム人の友達とオンラインで言語交換をしていました。トマトがそのベトナム人に日本語を教え、そのベトナム人はトマトにベトナム語を教えるといった形です。

ベトナム留学へ

その4か月後の2013年8月から1年間、トマトはホーチミン市師範大学へ留学に行きます。

当時は外国人がホーチミン市でベトナム語を学ぶとなると、ホーチミン市人文社会科学大学への留学が一番スタンダードでした。

しかしトマトはすでにインターンシップでホーチミン市師範大学の学生と交流があり、その学生達に再会し、一緒に学びたいというのもあったので、師範大学に留学に行くことにしました。

実際に留学と言っても、大学同士の交換留学ではなく、私費留学で行きました。ホーチミン市師範大学内にある外国人向けの語学センターのような所にただ通っていただけです。

その語学センターでは授業の数も時間も自由に選べました。トマトは90分の授業を週3回で取っていました。数としては全然少ないでしょう。

そもそもトマトは留学当初から学校の授業をメインにすることは考えていませんでした。あくまで自分の勉強のペースメーカー、普段の学習の足し、補助といった感覚で取っていました。

もちろんメインは自分の勉強でした。自学自習にはかなり力を入れてやっていました。その時は1日5、6時間、最低でもこれ位の時間は確保して勉強していました。

ベトナム語がなかなか上達しないという人はそもそも勉強にあてる絶対的な勉強時間がとれていない人が多いです。効果的な学習法はある程度の量をこなしていて初めて効果があるものです。

留学中の具体的な勉強法

実際にどのような内容を勉強していたかというと、インプットの部分では師範大学の授業で使っていたVSLという、外国人向けのベトナム語の教科書をメインに使用していました。

これは全部で5冊あるのですが、トマトは1年間という期間だったので、VSLの1から4までを勉強しました。

その他に『ベトナム語の基礎知識』や、『くわしく知りたいベトナム語文法』などの本を補助的に使っていました。このように最初は学校の授業とそのテキスト及び日本で売られているベトナム語の参考書を使ってひたすら知識をインプットする作業をしていました。

そしてある程度インプットをしたら、その後はその知識をアウトプットする必要があります。トマトの場合は外に出てベトナム人に声をかけたり、覚えたフレーズを使って会話をしたり、スマホでベトナム人とチャットをたくさんしていました。

最初は日本語が話せるベトナム人から、ベトナム語しか話せないベトナム人といった形で、難易度を徐々に変えていきました。
このようにベトナム語しか話せないベトナム人とベトナム語で話さざるを得ない環境を作るというのは非常に大事なことです。

それと同時に、トマトはベトナム人の家庭教師もつけていました。家庭教師と言っても、普通に会話の練習相手みたいなものですが、アウトプットの練習のために週に3回つけていました。

アウトプットの練習をする時、つまり会話やチャットをしている時には、ただ単にアウトプットで終わらすのではなく、会話中にわからない単語や表現があればベトナム人に聞いてそれをひたすらメモしていました。

アウトプットから再インプットへ

そしてアウトプットの次に、再びインプットを行いました。インプットやアウトプットの時に取ったメモをノートにもう一度清書する形でまとめ直し、単語帳や文法集を自分でつくるという作業をしていました。

ちなみにこれが当時まとめていた文法集です。

テキストで勉強したことだけでなく、会話やチャットをしながら学んだことなども自分なりに解釈し直してまとめていきました。

それが、今つくっているブログやYouTubeの解説動画の元となっています。いまだにこれは大事にデータ化してとってあります。

最終的にトマトはまとめノートを留学中の1年間で全部で7冊作りました。

このように留学中は、

  1. 授業やテキストでインプット
  2. 会話やチャットでアウトプット
  3. それらをノートにまとめて再びインプット

という①〜③のサイクルをグルグルとひたすら繰り返して学んでいきました。

そのサイクルを繰り返した結果、トマトは大体半年位でベトナム語が話せるようになっているな、という感覚を掴めるようになりました。

その時の感覚としては、急に話せるようになった、急に全部わかるようになったという訳ではなく、失敗する確率が徐々に減っていったという感覚でした。

アウトプットしてる時に「今自分が言ったことは通じなかったな」「今聞き取れなかったな」という経験がもちろん最初はすごく多かった訳ですが、それがどんどん減っていったという感覚でした。会話ができた成功体験を積み重ねることが非常に大事だと思います。

ベトナム語学習のポイント まとめ

このように、トマトがベトナム語を本気で勉強しようと思ってから1年間のやり方を述べてきました。皆さんの参考になるようなポイントをまとめるとするならば、以下の4つの点になるかと思います。

①良い辞書をすぐに買うこと

1つ目。良い辞書を速攻で買うこと。やっぱりこれは買いしぶっていてはダメです。とにかく本気で勉強しようと思ったら、速攻で良い辞書を買ってください。

トマトの場合も最初に3万円の『詳解ベトナム語辞典』を買ったのが正解だったなと本当に思います。

現在のトマトの学習歴は7年程ですが、未だに単語を引く時には必ずこの辞書を使っています。使えば使うほど多くのリターンが帰ってくるので、最初の3万円なんて安いものです。良い辞書をしぶらずにすぐに買ってください。

ちなみに現在紙の辞書類はすべてスマホでデータ化して持ち歩いています。

②ベトナム語発音は理論から入る

2つ目、ベトナム語発音は理論から入ること。トマトはベトナム語の発音のしくみを日本語で学んだおかげで、最初の発音で苦労をすることはほとんどありませんでした。

ベトナム留学中の最初の1か月位は「ちょっと発音が通じなくて大変だな」と少し思いましたが、すぐに通じるベトナム語を身に付けられました。
これは留学前の基礎の段階で、発音を理論的に学んだことがきいたのかと思います。

当時は発音のしくみを日本語の理論で勉強できる教材がありませんでした。だから、トマトはこの時の経験をもとに、『トマトのベトナム語発音大全』というテキストを作りました。

この発音大全にベトナム語の発音のポイントが日本語で全部書いてあります。

ベトナム語の発音は感覚ではなく理論から入ること。まず日本語で発音の仕組みを頭に入れてから実践に入るという形が1番効率が良い勉強法です。
皆さんも『発音大全』を使ってぜひそのような方法で勉強してみてください。

③ベトナム人と会話やチャットでひたすらアウトプットをする

3つ目のポイントはベトナム人と会話やチャットでひたすらアウトプットをすることです。

現在は市販のテキストや参考書はたくさんあるので、みなさんはインプットの面であまり困ることはないかと思います。

しかしアウトプットの機会を作れている人はかなり少ないと感じます。

トマトの場合、留学中は1日も欠かさずに誰かしらベトナム人と会話やチャットをする機会を作っていました。

特に最初の段階で会話は恥ずかしくて上手く話せないという人はチャットがお勧めです。

チャットでは会話にタイムラグができても問題ないし、こう来たらこう返す、といったような会話の反射神経を鍛えるための訓練として使うといいでしょう。

チャットでやっていることを声に出せばそれがそのまま対面の会話に繋がります。チャットで言葉の反射神経を鍛えてから、実践の会話に移すといいでしょう。

④自分で単語や文法をまとめ直す

最後の4つ目は、自分で単語や文法をまとめ直すということです。

多くの人はテキストなどで受け身的なインプットの勉強で終わっています。
本当に自分が内容を理解しているのかを確認するために、単語や文法など自分が学んだことを解釈し、まとめ直すといった作業をするといいでしょう。

自分の好きな形でいいので、文法集や単語帳というものを自分で作ってみることが大事です。

 

トマトのベトナム語の勉強法でいくつか参考になる部分があったかと思います。この点がいいなと思ったらぜひみなさんも真似してみてください。

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