vol.24 ベトナムにある日本が作った「道の駅」がひどかった件

「道の駅」とは旅行者が休憩をとれ、地域は観光情報を発信でき、地元特産品を販売するなど地域振興も図れる様々な機能を持つ施設のことです。ベトナム語だと「trạm dừng nghỉ」といいます。

日本でも「道の駅」が地域振興につながっているため、ベトナムでも同じように地域と旅行者を結び付ける施設として2009年にJICAとベトナムの運輸交通省が協力してベトナム北部の省に日本式の道の駅を3つ建設しました。今回はその一つであるホアビン省の道の駅に実際に立ち寄ってみました。

道の駅の実態

訪れた感想を一言でいうと「これはひどい」でした。まずは写真を見て下さい。

img_20161108_135700

外観はこんな感じで、客は誰もいません。

img_20161108_135157 img_20161108_140045

中はもちろんガラガラ。暇そうにスマホで遊んでいる従業員が二人いただけでした。

img_20161108_135145

地元の特産品であるお茶の葉がもの寂しく積まれています。

img_20161108_135043

おみやげコーナーの棚には何もありません。

img_20161108_135126

地域の情報発信をするつもりであっただろう棚は全部閉まっていました。

img_20161108_134905

日本式のきれいなトイレをうたっていたはずなのに普通に汚かったです。

img_20161108_135931

外もゴミが大量に捨ててあり、まともに管理してないのが一目でわかります。

img_20161108_135752

記念の石碑がむなしくたたずんでいます。

過去にベトナムの記事で問題が指摘されていた

写真を見ていただいてもわかるようにこの道の駅は失敗した典型的なハコモノになっていました。

忘れてはならないのはこの道の駅は全部日本人の税金で作られているということです。

調べてみるとJICAとベトナムとの3つの道の駅プロジェクトはすべてこんな感じで失敗し、過去にベトナム国内の記事で盛大にディスられていたことがわかりました。

そのベトナムの記事の要点をトマトが簡単にまとめてみました。

[BÁO MỚI.com 「Trạm dừng nghỉ nhưng không ai vào」(道の駅、しかし誰も立ち寄らない)]

http://www.baomoi.com/tram-dung-nghi-nhung-khong-ai-vao/c/4393310.epi

・道の駅は3つの省(バクザン省、ホアビン省、ニンビン省)に400億ドン(約2億円)を投資して作られた。

・その規模の大きさと現代的な建築にも関わらず3つの道の駅の経済効果は低く、赤字が続いている。

・完成から1年以上経った今でも(※記事は2010年のもの)この現代的な道の駅はひとけがない。

・一番寂しいことはそもそも道の駅沿いの道路の交通量と観光客の往来が控えめであること。

・ホアビン省の道の駅では一日に13台の車と100人の旅行客が立ち寄る(※2010年時点)

・道の駅の維持費のために毎月4000万ドン(約20万円)ほど赤字の補填をしている。

・道の駅のデザイン設計がベトナム人に合っていないため、訪れる旅行者は魅力を感じない。

・ベトナム人は車で長距離の旅行をする場合、通常休憩と食事を一緒にとるが、この道の駅には飲食サービスがないため、旅行者は不便に感じる。

・ベトナムでは慣習として個人の飲食店とバスの運転手が結託している。運転手が旅行者を店に立ち寄らせる見返りに、店からタダ飯やマージン(ワイロ的な何か)を受け取るという構造ができている。だから運転手はある特定の飲食店にしか立ち寄らない。

・道の駅の管理に関する条例や規定がまだ整っていないため、道の駅の管理団体は飲食や娯楽サービス、ガソリンスタンドなどを追加で作ることができない。ゆえに長距離運転手や旅行者などを道の駅に引き付けられないままでいる。

上の記事は2010年に書かれたもので、道の駅完成から1年くらいしかたってないのにこのディスられようです。そしてこの記事から6年経った現在でもほとんど変わっておらず、状況はもっとひどくなっています。

日本側の現地の無理解が原因か

トマトの印象としてはまず道の駅の立地がかなり微妙です。この道の駅はハノイから100kmほど離れたところにあり、かつ北西部の入り口の都市ホアビン市からさらに30kmも離れた辺鄙なところにあります。

上の記事にもあるようにそもそも道の駅のある国道6号線の交通量はベトナム国内の中でも結構少ないです。何でこんなところに建てたのでしょうか?

そして道の駅にちゃんとした飲食サービスがないことも大きな原因です。道の駅ではスナック菓子やガムなどが売られていた程度で、これでは周辺の飲食店に客が持っていかれるのはあたりまえの話です。

おそらく日本側がベトナムの文化習慣(運転手と個人飲食店の結託など)を理解せず、自分たち好みの日本式道の駅のイメージをそのまま押し付け、ベトナム側も日本がお金を出してくれるからと、唯々諾々と従ってしまい、このような道の駅が作られてしまったのでしょう。

無駄をなくすために

この道の駅の建設には日本人の税金2億円が使われています。そして現在も維持費がかさんで赤字続きです。さっさと規制緩和して民間企業に売り払うなり、委託するなりしてもっと効果的な運営とお金の使い方をして欲しいものです。

この道の駅の失敗から日本とベトナムの国際協力の在り方をもっと見直すべきでしょう。

【参考サイト】

・JICA支援による「道の駅」登場 ベトナムスケッチ

http://www.vietnam-sketch.com/archive/north/alacarte/2009/04/001.html

・道の駅またまたベトナム新聞で批判

http://paku16p.at.webry.info/201006/article_2.html

Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です