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vol.234 khôngを使わない否定③ ~đâuのさらなる応用~

さぁ、khôngを使わない否定シリーズはまだまだ続くよ!

前回は「có〜đâu」で否定の強調を表すということを勉強しました。今回はそれをさらに応用させたものを紹介します。

đâu có〜=〜とはとんでもない、〜なんてありえない

名詞や動詞の前にđâu cóをつけると強い否定を表すことができます。đâu có〜は相手の意見に対する強い打ち消しや反論を意味します。主に口語で使われます。

đâu có!
とんでもない!/ありえない!

・tôi đâu có đi!
私は行ったりなどしない!

đâu có sao!
全然大丈夫!

đâu có chuyện đó!
そんなことはあり得ない!

đâu có say!
ちっとも酔ってないよ!

なんでđâu có〜の形になるの?

原理としては前回紹介した「có〜đâu」文型の文末にあったđâuがより否定を強調するためにcóの前に出てきたと考えられます。
có〜đâuでは最後のđâuまで聞かないと否定の意味になることがわかりませんでした。しかしđâu có〜とđâuが前に出てくればそれだけですぐに強い否定だとわかります。

・anh thương em đâu→đâuを聞いてはじめて文が否定されているとわかる

・anh đâu thương em đâu→đâu cóと聞いた瞬間にすぐ否定だとわかる=否定をより強調した形になっている

「đâu có〜đâu」でもok!

đâu có〜文の文末にさらにまたđâuをつけることもできます。đâuが一つの文に2回来ることになりますが問題はありません。この場合の文末のđâuは語感や文のリズムを合わせるために用いられます。

đâu có thích anh đâu!
あんたなんかちっとも好きじゃない!

đâu có biết đâu!
全然知らない!

đâu cóđâu!
何てことはない!

まとめ

・「đâu=どこ」と覚えているだけでは不十分です。đâuは否定を強めるパーツだということも頭に入れておきましょう。

・đâu có〜=〜とはとんでもない、〜なんてありえない

・「đâu có〜」は「có〜đâu」の文末のđâuが前に出た形

・「đâu có〜đâu」の形でもok