vol.38 ベトナムにおける左利きの存在

      2016/11/23

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左利きの苦労

筆者は生まれつき左利きです。食事をするときも文字を書くときもスポーツをするときもすべて左利きの純度100%の左利きです。左利きの人ならわかると思うけど世の中の大半のものは右利き仕様でできているので左利きの人は右利きの人が想像もしないような些細なことでストレスを感じて生きています。ハサミが切れない、字を書くと手が黒くなる、食事の時腕がぶつかる、スープバーとかによくある先が細いおたま(※下の画像参照)がうまく使えない…などなどあげたらきりがありません。

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図工と書道の時間は地獄

特に筆者が嫌だったのが小学校の図工や書道の時間でした。小学校が図工の授業で貸し出している工具は大体が右利き用に作られ、かつ右利きの人がそれをたくさん使っているので工具の使用感やすり減り具合も右利きの人にそくした感じで仕上がっている。いきなりそれを左利きの人が使おうとしてもうまく使いこなせるわけがない。そんな左利きの苦労を知らない右利きの図工の先生から「バカと工具は使いよう」なんて言葉を浴びせられ、非常に嫌だった思い出があります。

書道の時間も拷問でした。書道のハネや払いは全て右利き基準なので左手で書くことはほぼ無理。なので左利きの人も無理やり右で書かされる。利き手じゃない手で普通の字を書くのさえ困難なのに、ましてやそれを筆で丁寧に書かなきゃいけないなんてうまくできるはずがない。無理やり右手で書いた下手くそな作品を教室の後ろに飾られるなんて本当に嫌でした。

「左利きの人は右利きの人より寿命が短い」なんて聞いたことがあるけどとても納得できます。だって昔から感じてるストレスの量が違うもん。

ベトナム人は左手で字を書かない!?

話は変わってベトナムに移ります。もちろんベトナムでも左利きの人は一定数いて、食事をする時にも左手で食べる人が結構な割合でいます。しかし文字を左手で書く人はほとんどいません。これは小さい頃に親や小学校の先生に右手で書くように無理やり矯正させられるからです。昔の日本みたいだね。

だから筆者が左手で文字を書いているとベトナム人に非常に驚かれます。「よく左手で文字が書けるね!」みたいによくわからない褒められ方をしたり、「日本人はみんな左利きなの?」みたいに妙な勘違いをされることもよくあります。

そんなふうに好奇心旺盛なベトナム人に絡まれたときに筆者はいつも「người thuận tay trái rất thông minh(左利きの人は頭いいんだぜ)!」と言います。こう言うと大半のベトナム人は笑ってくれる。筆者の会話の鉄板ネタの一つです。

左利きは苦労が多いけど、ベトナムだと自分が左利きのおかげで少し場を盛り上げることができるから、左利きでよかったなぁとちょっぴり思っちゃう今日この頃です。

☆語彙

・thuận tay trái =左利き

・thuận tay phải=右利き

※thuậnは漢越で【順】。(体の活動する部位に)適合する、という意味がある。動詞では上の用法でしかほとんど使わないのでこのままセットで覚えておこう。

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