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vol.144 [慣用句] con ông cháu chaでコネ批判!?

ベトナム語の慣用的な表現に「con ông cháu cha」というのがあります。

意味を説明する前にまずみなさんにはcon ông cháu chaという単語の羅列を見てすぐに「あ、全部親族関連の名詞だ」と気付けるぐらいの語彙力を持ってほしいです。親族名詞ということはそれが一人称や二人称にもなれるということです。一人称や二人称の語彙が頭に入ってないと会話すらままならないのでよく使う人称代名詞は必ず覚えておいてください。

con ông cháu chaとは

con ông cháu chaで「家柄や血筋の良い子供」という意味になります。

conは「子供」、ôngは「祖父」、cháuは「孫」という意味の親族名詞です。最後のchaはあまり見慣れてないかもしれません。chaは「父」という意味でbaやbốと同じです。baは南部で、bốは北部で、chaはメコンデルタ地方などの南西部の田舎の地域でよく使われます。
chaはベトナムの民間伝承詩などによく出てきますが、それはメコンデルタ地方産のものが多いからです。chaはベトナム人にとっては田舎っぽいけど妙に懐かしい気分にさせるのでしょうか。

con ông cháu chaの使い方

con ông cháu chaという言葉はよく血縁関係やコネを批判するときに使います。

・chị ấy nhờ vào con ông cháu cha được làm ở công ty đó
彼女はコネを頼ってその会社で働けるようになった。

・thằng đó không có năng lực gì đâu. nhờ con ông cháu cha đó.
あいつは何も能力がないよ。コネを使ったからさ。

ベトナムでは家族や親せきなどの血縁関係を大事にします。親などは自分の子息が就職する時には親せきなどのつてを使って何らかの仕事に就かせる場合が多いです。特に公務員になる場合は親族などの誰かしらの紹介がないと入れないとすら言われています。

そういったコネを使って入った人は実力があって入ったわけではありません。なので仕事ができなかったりサービスが悪かったりすることがしばしばあります。そういった人をなじる時に「あいつはcon ông cháu chaだからさ」みたいな使い方をします。

もしベトナムで公的機関を訪れたりした時にそこの公務員のサービスや態度が悪かったら、一緒にいる人に「con ông cháu cha」を使ってみるといいかもしれません(くれぐれも面と向かって言わないように)。

まとめ

・con ông cháu chaは血縁関係やコネを批判するときに使う。