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vol.5 発音の勉強法〜独習することの限界〜

以前にも述べたように、ベトナム語で最初に徹底して勉強しなくてはいけないのが発音です。

しかし、いきなりベトナム人から発音を感覚的に習うと多くの人が難しく感じて諦めてしまうでしょう。多くの日本人はこの最初の段階でベトナム語の勉強を投げ出してしいます(発音さえ乗り越えたら後は結構簡単なんですが・・)。

そこで今回は挫折しないために発音をどのように勉強すればよいのかその道筋を紹介します。

ネイティブの落とし穴

ベトナムにある大学や語学学校などの外国人向けベトナム語コースの先生は全員ベトナム人です。

ネイティブが発音を教えてくれるならばっちり!と思うかもしれませんが、ここに一つ落とし穴があります。

ネイティブの先生から習うといきなり発音の実践から入ってしまいます。つまりネイティブの先生の発音をひたすら真似させられ、発音が違ったら何回も言い直させられるというやり方で教わってしまうのです。

発音が難しいベトナム語では初学者がいきなりこの方法でやられると非常にあいまいな音の感覚で発音を判断せざるを得なくなるため挫折する可能性が高くなります。

まずは頭で理解!

発音の実践の前にやらなきゃいけないこと。それは発音を頭で理解することです。頭で理解するとはつまりベトナム語の発音の仕組みを日本語で理解することです。

この音は日本語の発音と似ているのか違うのか、違うなら何とどう違うのかなどを日本語で理解するのが重要です。

ベトナム語の発音の仕組みを日本語で解説しているのは主に書籍やネットサイトにあります。

書籍では以下の本がおすすめ。

・「田原洋樹『くわしく知りたいベトナム語文法』白水社」

田原洋樹著、くわしく知りたいベトナム語文法の表紙絵

この本が日本で出回っているベトナム語の書籍の中で一番わかりやすく発音を説明しています。それ以外の参考書の発音の説明は難しかったり何だかわかりにくかったりしてイマイチです。

ネットサイトの場合は

・「東京外国語大学言語モジュール」

(http://www.coelang.tufs.ac.jp/mt/vi/)

・「大阪大学 高度外国語教育独習コンテンツ」(http://el.minoh.osaka-u.ac.jp/flc/vie/index.html)

などのサイトでベトナム語の発音をはじめとした自習が可能です。

実践(ネイティブチェック)

本やネットで発音を頭で理解できたら、すぐに実践に移りましょう。つまりネイティブによる発音のチェックをしてもらうということです。

あなたがベトナムに住んでいる場合

もしあなたがすでにベトナムに住んでいたり、ベトナム人の友達がいたら、その時点で発音の勉強に相当なアドバンテージがあります。

なぜならあなたの周りのベトナム人すべてがあなたの発音の先生となりうるからです。

学校の先生、仕事の部下、友達、知人、近所の人…etcを捕まえて発音チェックをしてもらいましょう。ベトナム人は外国人がベトナム語を話してくれるととても喜んでくれるのであなたに熱心に発音を教えてくれるはずです。

もしできたら複数人にチェックしてもらったほうがいいです。老若男女5人くらいからオッケーをもらえればあなたの発音は合格です。

あなたが日本に住んでいる場合

もしあなたが日本にいて、すぐにあえるベトナム人の知り合いもいない場合はネットで友達を作りましょう。

例えばfacebookなどで日本に興味あるベトナム人と友達になり、メッセンジャーの電話越しに発音を教えてもらうこともできます。あなたがベトナム人に日本語を教え、ベトナム人からベトナム語を教えてもらえば互いの言語を教え合うwin-winの関係を築けます。

まとめ

ベトナム語の勉強で何よりもまずできなければならないことは、あなたが「ベトナム人に通じる発音がしっかりできること」です(文法、ライティング、リスニングなどはあとまわしで全然OK)。

発音の勉強はいい加減にすませないことがとにかく大事。今後あなたのベトナム語が上達するかどうかは最初の発音の勉強にかかっています。もしきちんとやってこなかった人はもう一度しっかりと学びなおしましょう。発音がしっかりできて初めて次のステップに移ることができるからです。