ベトナム人の若者がよく使う言葉にchém gióというのがあります。chém gióは最近流行りの俗語で、辞書で調べても出てきません。
chém gióは「大げさに言う、話をもる、ホラを吹く」という意味です。おしゃべり好きなベトナム人が友達同士で話をもったりしたときにからかう感じで使います。
・mày lúc nào cũng chém gió quá.
お前はいつも話を盛ってるな。
・đừng chém gió nữa.
大げさに言うのはやめてくれ。
なぜ「風を切る」→「大げさに言う」になるの?
chém gióは直訳すると「風を切る」です。chémは「切断する」、gióは「風」です。chémは色々な「切る」シリーズでも紹介しました。gióもだいぶ前ですが「風を集めれば嵐になる」ということわざで少し出てきました。
しかしなぜ「風を切る」が「大げさに言う」という意味になるのでしょうか?
まずみなさん試しに風を手で切る動作をしてみて下さい。
多くの人が手を振りかざして上から下に振り下ろす動作をするかと思います。
そして次に下の画像を見てください。
この写真を見てどう感じるでしょうか。
このじいさんは演壇などで何か強い物言いをしているように見えますね。
かつさきほどの「風を切る」に似た動作もしています。
そう、つまり人は何か大きいことを主張、強調したりするときにこのじいさんのように手を上から下に振る動作(=風を切る動作)をします。
だから
風を切る(動作)=強い口調で声を上げる(時の動作)→大げさに言う、誇張する
となったのです。
ちなみに日本のネット界隈ではインタビューされてる人がよくやる両手を突き出した形を「ろくろを回しているよう」として皮肉られていましたがchém gióはそれと同じ原理です。
参考 web業界は本当にろくろを回すのか?
まとめ
・「chém gió=大げさに言う」という理屈がわかったら早速ベトナム人とchém gióしてみよう!
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