ベトナム人なら誰でも知ってる超有名ことわざ「uống nước nhớ nguồn」を紹介します。
このことわざは4語で覚えやすく、ひとつひとつの単語もすべて頻出単語です。ことわざと合わせて全部頭に入れましょう。
uống nước nhớ nguồnとは
ことわざの意味を理解するためにひとつひとつ単語をみていきます。
uống=飲む
uốngは「飲む」という意味の超基本単語です。液体を飲むだけでなく、錠剤などの薬を摂取する場合にもuốngを使います。日本語でも「薬を飲む」といいますね。
汁物やスープ類を“飲む”場合はuốngではなく“食べる”のănを使います。日本語の表現に合わせないで下さい。
・ăn canh / súp=スープを飲む
nước=①水②国
こちらも超基本単語です。ただしnướcは①水②国という2つの意味があります。
水と国がnướcという同じ単語を使っているのは、古くからベトナムは水と深く関わる国だからだと言われています。
nhớ=①覚える②思い出す③恋しく思う
nhớも基本単語ですが、①覚える②思い出す③恋しく思う、の3つの意味に分かれることに注意して下さい。コアは〈記憶〉です。
ちなみにベトナム人はよくnhớの日本語の使い方を間違えます。
例えば「nhớ em không?=私を覚えていますか?」と言いたいところを「私を思い出しますか?」のように変な日本語で言ってしまいます。
これはベトナム人が「nhớ=思い出す」と1つの意味を覚えたらそれで十分だと勘違いし、別の意味の使い方をすることを意識しなくなるためです。一種の母語干渉と言えます。
nguồn=源
nguồnは源という意味です。nguồnは漢越語のnguyên【元、原、源】が変化したものです。音読みのゲンとnguyênの発音が似ていますね。
ことわざの意味
以上のことからuống nước nhớ nguồnは「水を飲んだら水源を思え」と訳せます。
このことわざは、水には必ず水源があるように今の自分があるのは両親や祖先のおかげで、その功労や恩を忘れるなよ、という意味です。
要するに先人をリスペクトしようぜ!っていうことわざです。
このことわざはchùa(寺)やđền(ほこら)などに時々標語のように掲げられています。下の画像は以前紹介したđền Hùngで撮ったものです。
まとめ
「uống nước nhớ nguồn=水を飲んだら水源を思え」はことわざそのものも、構成している各単語もよく使うのでまるごと覚えましょう。
いつも楽しく拝見しています。
以前、水に関する仕事をしてましたが、そのとき日本にも「飲水思源」という言葉があることを知りました。どちらも出どこは中国のような気がしますが、いかがでしょうか。
コメントありがとうございます。
日本語にも同じような四字熟語があるんですね。初めて知りました。
ベトナム語のことわざも多くは中国由来です。漢字を漢越語にそのまま訳したものもあれば、今回のことわざのように純粋ベトナム語に直したものもあります。