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vol.209 「船」のいろいろ

ベトナムは「船」と縁が深い国です。ベトナムの東側はすべて海に面しており、海岸線の長さは実に約3500kmにも及びます。

また、北は紅河デルタ、南はメコンデルタを中心に数多くの河川が国中を流れています。ベトナムにおいて海や川をわたる船はベトナム人の生活と切っても切り離せません。

今回はベトナムにある様々な種類の船を紹介したいと思います。

船のいろいろ

phà=(車やバイクを川岸から川岸まで運ぶ)フェリー、渡し船

phàとは人も含めた様々な乗り物を川の対岸から対岸まで運ぶ公共交通フェリーのことです。

ベトナム南西部のメコンデルタ地方やベトナム北東部の紅河デルタ地帯の橋がなくて渡れない河川で主に活躍しています。値段が片道5000ドン〜10,000ドン(25円〜50円)前後と非常に安いのが特徴です。

ただ川と川を結ぶphàが1隻しかないところもあり、運が悪いと非常に長い時間を待たされる所もあります。過積載で運ぶことも多く、心配症のトマトは途中で沈まないか非常に不安になります。

トマトが旅行中グーグルマップに従って近道しようとしたらなぜかphàを使った道に案内された時の写真。北東部のタイグエン省にて。

xuồng=手漕ぎボート

エンジンなどがついてない手漕ぎのボートのことをxuồngといいます。

主に川の流れがゆるやかで狭いところで使われます。有名なミトーのジャングルクルーズツアーで使われているのはxuồngです。

トマトもそのツアーに行ったことがありますが、xuồngを漕いでるおばちゃんの足が猛烈に臭かったのが印象に残っています。

thuyền【船】=船(の総称)

船全般を指す包括的で広い意味の言葉です。漢越もそのまま【船】です。

thuyền buồm=帆のある船、ヨット

buồmとは「帆」のことです。ベトナムではあまりみかけないかも。

tàu (thủy)【艚水】=大型船舶、汽船

何百人ものれるような大きい船のことをtàu (thủy)といいます。

tàuには「列車」という意味もあります。

ca nô=クルーザー

これはフランス語のcanotからきています。水上を高速で移動する便利な船で、観光で使われることが多いです。

ちなみに発音が日本語の狩野に似ているので「狩野(ca nô)英孝がクルーザーに乗る」と覚えましょう。

bè=いかだ

これは船ではありませんが水上を移動する立派な乗り物です。沢などの細い川や短い川で使われています。

メコンデルタ地方最南端のカマウ省にて、ロープをつたって移動するbèに乗るトマト。

thuyền thúng=かご船

竹で編み、漆などを塗って防水加工を施した一寸法師が乗るような船です。近海の漁場で漁師が魚をとるために使われています。

ダナンやファンティエットなどでは漁師のシンボルとして観光資源化しています。

トマトも一度乗ったことがありますがバランスをとるのが非常に難しかったです。

まとめ

ベトナムには様々な種類の船があります。写真をみながらしっかり区別しておこう。

・phà=渡し船
・xuồng=手漕ぎボート
・thuyền【船】=船(の総称)
・thuyền buồm=帆のある船、ヨット
・tàu (thủy)【艚水】=大型船舶、汽船
・ca nô=クルーザー
・bè=いかだ
・thuyền thúng=かご船