ニートとは「Not in Education,Employment or Training(NEET)=雇用されておらず、教育や職業訓練も受けていない者」のことです。日本ではニートと呼ぶのは15〜34歳までと年齢が定まっており、35歳以上では無職と呼びます。
ベトナム語ではニート、無職のように労働に従事していないことを「vô công rồi nghề」と言います。これは慣用的な言い方です。
なぜそういう意味になるのかひとつひとつ単語を見てみましょう。
vô công rồi nghềとは?
vô【無】=ない
vôは「ない」という意味です。漢越では【無(ム, ブ)】です。この字だけで否定の意味を持っています。khôngの漢越バージョンだと思って下さい。
・vô lý【無理】=理屈に合わない
・vô trách nhiệm【無責任】 =無責任な
・vô ý thức【無意識】=無意識に
công【工】=労働、仕事
côngはcông việc、つまり「仕事」のことです。労働という意味もあります。côngは男性の名前にもよく使われます。ただし名前で使われる場合は【工】ではなく【功】です。
rồi=暇な、することがない
rồiにはまさかの「暇な」という超マイナーな意味があります。ただこれはよく使うほうの「rỗi=暇な」の発音が変化したものだと捉えたほうがわかりやすいでしょう。実際にはこの慣用句をvô công rỗi nghềと言ったりもしますし。
rồiは以前やったようにコアは「成立」です。これだけ覚えておけば十分です。
nghề=職業
nghềは職業という意味です。よく相手の職業を聞くときには「đang làm nghề gì=今何の仕事をしていますか?」という使い方をします。
nghềはnghiệp【業(ギョウ)】という漢越の訛音です。nghềにも【業】の漢字をあてはめて覚えましょう。
以上のことからvô công rồi nghềで「仕事をしないで暇で遊んでばかりいる」となります。要するにニート、無職ということです。
・Thằng đó là thằng vô công rỗi nghề, suốt ngày chỉ biết nhậu.
あいつはニートで、1日中飲んだくれている。
まとめ
・vô công rồi nghề=仕事をしないで暇で遊んでばかりいる
・vô【無】=ない
・công【工】=労働、仕事
・rồi(rỗi)=暇な、することがない
・nghề【業】=職業
よろしければ教えてください。
nghe と nghiep はニュアンスが違うというようなことを聞いたことがございます。
nghe は プラスのイメージ(好きでやっている、誇りを持っている)
nghiep は マイナスのイメージ(嫌々やっている、義務としてやっている)
というような違いがあるそうなのですが、この認識は正しいのでしょうか?