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vol.253 あきれて言葉が砂漠になる?

Falkenpost / Pixabay

最近ベトナムの若者の間ではcạn lờiという言葉をよく使います。みなさん知ってますか?

言葉が蒸発する!?

cạnは「浅い、水が蒸発する」、lờiは「言葉」という意味です。どちらも基本単語ですので知らなかったら覚えておきましょう。

cạn lờiは直訳すると「言葉が蒸発する」です。そこから転じて「言い尽くす、これ以上言う言葉がない」という意味になります。

A : em đang làm gì?
今何してるの?

B : em đang ngắm trai.
男を眺めてるの。

A : cạn lời
何も言えない

cạn lờiは驚いたりあきれて何も言うことができない時に使います。

日本語だと「空いた口が塞がらない」「絶句する」といった表現が近いでしょう。

使う感覚としては「bó tay=仕方がない」とも似ていますね。

言葉がひからびる!?

最近ではcạn lờiの表現が変化して“sa mạc lời”や“hạn hán lời”という言葉も出てきました。

sa mạcは「砂漠」です。漢越もそのまま【砂漠】です。発音もとても似ていますね。

hạn hánは「干ばつ、日照り」という意味です。水資源が豊富なベトナムではあまり使わない単語ですが、覚えておいて損はないでしょう。

つまりsa mạc lờiやhạn hán lờiは砂漠や干ばつのように「言葉がひからびるほど何も言うことがない」という先ほどのcạn lờiと同じ意味になるわけです。

A : xin lỗi , em ngủ quên ko làm bài nộp anh rồi.
ごめん、寝坊して宿題出せなかった。

B : Hôm qua cũng vậy. Hôm nay cũng vậy. Thiệt là sa mạc lời với em.
昨日もそう、今日もそう。本当に君にはあきれて何も言えないよ。

まとめ

・cạn lời=sa mạc lời=hạn hán lời=これ以上言う言葉がない