bánhのコア
ベトナム料理には「バイン○○」みたいに「バイン」と名前のつく料理がたくさんあります。ベトナム語ではバインはbánhと書きます。bánhは漢越で、漢字で【餅】です。訓読みでもち、音読みでベイと読みます。「餅」の漢字には「小麦粉をこねて丸くのばし、焼いたり蒸したりした食品」という意味があります。ベトナムの場合は小麦粉の部分が「米粉」に変わります。
つまりbánhのコアは「米粉を使って調理した食品」です。もちろん料理によっては米粉を使わない場合もありますが、「bánh~」という単語を見かけたら何か粉もの(主に米粉)を加工して作った料理なんだなとイメージしましょう。
bánh~の例
bánh~とつく代表的なベトナム料理をいくつか紹介します。
bánh mì:バインミー(ベトナム風サンドイッチ)
ベトナムのパンといえばこれ。フランス植民地時代にフランスのパン職人がベトナム人にパンの作り方を教えたのがbánh mìのはじまり。パンは小麦粉から作るので「小麦」という意味のmìがつきます。
フランスパンを縦半分に切り、pateというレバーペーストとバターを塗って、肉、野菜、パクチーなどを挟み、ヌクマムをふりかける。激辛な輪切り唐辛子や唐辛子ソースが入っていたりすることもあるので、辛いのが苦手な人はあらかじめ店員に辛いの抜きで注文しなければなりません。
bánh cuốn:バインクオン(ベトナム風水餃子、蒸し春巻き)
米粉の汁を蒸して作った厚みのあるライスペーパーにひき肉やきくらげなどを包んだ料理。食感がモチモチしていて数個食べるだけで結構お腹がふくれます。cuốnは巻くという意味で漢越もそのまま【巻】です。
bánh chưng:バインチュン(ベトナム風ちまき)
モチ米に緑豆をまぜ、豚のバラ肉を入れ、ナルコユリというバナナの葉っぱに似たような葉で包んだ料理。テト(ベトナムの旧正月)には欠かせないお祝いの料理。これも一個食べるだけで結構お腹がふくれるのに、ベトナム人はお祝いだからとたくさん作って出してきます。そんなに食べられねーよ。
bánh canh:バインカイン(ベトナム風うどん)
bánh đa(バインダー、米粉から作ったあぶり煎餅みたいな菓子)の生乾きのものを細切りにしてエビ、カニ、魚などとともに煮た料理。主に南部で食べられます。見た目も食感もうどんに似ていて、うどん好きなら間違いなくbánh canhも好きになるはず。筆者の好物。
bánh xèo:バインセオ(ベトナム風お好み焼き)
米粉、ウコンの粉、ココナッツミルクで溶いた生地を熱した鍋に流し込み、小エビ、豚肉、もやしなどを入れ、油でパリパリに焼いた料理。主に南部で食べられます。
ちなみにbánh xèoの「xèo」という単語は油がはじけるときの「ジュウジュウ」という音を表しています。日本人には「ジュウジュウ」と聞こえるのが、ベトナム人には「xèo xèo(セオセオ)」と聞こえるみたいです。面白いですね。
まとめ
・bánh【餅】=粉もの(主に米粉)を加工して作った料理。
・「bánh~」とつく料理はとにかくたくさんあるので実際に色々食べて覚えよう!笑
“xe 3 bánh” の “bánh” はどう解釈しますか。