定期購読マガジン「トマトのベトナム語学習ラボ」はこちら

vol.305 [慣用句] 馬に乗って花を見る

StockSnap / Pixabay

ベトナムの有名な慣用句「cưỡi ngựa xem hoa」を紹介します。

これはベトナム人なら誰でも知っている慣用句なのでぜひ覚えておきましょう。

cưỡi ngựa xem hoaとは?

cưỡi=乗る

cưỡiは「乗る」です。乗るといっても動物の背中や肩などにまたいで乗る場合に使います。

なのでcưỡiの後ろには馬(ngựa)、水牛(trâu)、象(voi)などがきます。

乗り物に乗るときなど、一般的な「乗る」は“lên”です。こちらのほうが圧倒的に使用頻度が高いのでまずはlênを優先的に覚えて下さい。

ちなみに「バイクに乗る」はcưỡi xeでもlên xeでもどちらも可能です。cưỡi xeは少しかっこつけた言い方になります。

ngựa=馬

ngựaは「馬」です。

発音は重い声調をつけます。似たような発音にngứa(=かゆい)やngửa(=上を向く、あお向けになる)などがあります。
発音に注意して下さい。

また、ngựaを使った単語に、cá ngựa(馬魚→タツノオトシゴ)、ngựa trời(空の馬→カマキリ)などがあります。

ベトナム人が生物をどういう視点で見てるかが少しわかって面白いですね。

xem=見る

超基本単語です。ただこの場合は「見わたす、眺める」といった意味になります。

1点に注目して「見る」場合はxemではなくnhìnを用います。

hoa=花

こちらも超基本単語です。漢越でもそのまま【花】です。ベトナム人女性の名前にもよく使われます。

ちなみにhoaには【華】の漢字も入ります。この場合は「中国の、中華の」という意味です。

例えば「中国人」をngười hoa(người trung quốcでも可)と言ったり、「華僑」をhoa kiềuと言ったりします。

hoaは【花】と【華】の2つの漢字がくることを覚えておきましょう。

馬に乗って花を見る

以上のことから、cưỡi ngựa xem hoaで「馬に乗って花を見る」となります。

馬に乗りながらだと花をじっくりと見ることはできません。

転じて「表面的にざっと理解する」「適当に、投げやりに物事を行う」といった意味になります。

・Anh ta lười biếng, làm gì cũng như cưỡi ngựa xem hoa
彼は怠け者で、何をするにしても「馬に乗って花を見る(いいかげん)」だ。

止まって花を見ることも忘れずに!

cưỡi ngựa xem hoaの“ngựa(馬)”の部分を現代風に置き換えれば「ネット」ということになるでしょう。

現代はネットの波に乗って、どこでも瞬時に検索(花を見る)ことができるようになりました。

たくさんの情報を見られるようになった一方で、それは同時に物事を表面的に、サラッと眺めることが多くなることも意味します。

時には馬を降りて、じっくりと詳細に物事を注視し、考える時間も必要である。と、この慣用句は教えてくれます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください