漢越はベトナム語の勉強にとても役に立つことをこれまでに何回にもわたって説明してきました。
そして今回は漢越の知識をさらに深めるために1語のベトナム語が複数の漢越を持つ「同音異義漢越語」を紹介したいと思います。
例えばcông viên【公園】とcông nghiệp【工業】は同じcôngという単語を使っていますが、使用する漢越は異なっています。つまりcôngというベトナム語は【公】と【工】という複数の漢越を持っている「同音異義漢越語」です。同じ字(音)だけど意味は異なる漢越語ということです。日本語でいうと、「コウ」という読み方をする漢字は【公】や【工】などがあるよ、と言っているようなものです。
今回は同音異義漢越語である「cách」の漢越を紹介します。
cáchの漢越
①【革】=改める
政治や歴史の関連用語でよく出てきます。ベトナム人はこの言葉好きそう。
・cải cách【改革】=改革する、改める
・cách tân【革新】=革新(する)
②【隔】=離れている、~の距離がある
以前勉強した距離の言い方はこの【隔】の漢越を使っています。
・cách âm【隔音】=防音する、遮音する
ベトナムで部屋探しをしているときにトマトは神経質なので「phòng này cách âm như thế nào?(この部屋の遮音性はどんな感じ?)」とよく使っていました(笑)。
・cách ly【隔離】=(病人を)隔離する
③【格】=やり方、方式
・cách+動詞=~のやり方、~方
cách nói=言い方, cách ăn=食べ方、などのcách+Vのcáchは漢字の【格】から来ています。
・~bằng cách nào?=どのような(手段, 方法)で?
手段の「~で」を表すbằngとcáchを組み合わせた表現もあります。
まとめ
このようにcáchという一語のベトナム語にも【革】【隔】【格】などの漢越があり、それに対応して様々な意味に分かれます。こうしてたくさん意味がある単語も漢越から考えると整理しやすくなるし、関連する単語をより覚えやすくなりますね。漢越って本当に便利ですね。