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vol.281 否定にbao giờをつけると??

以前khôngとgìを使って強い否定になることをやりましたが、否定の強調の仕方は他にもまだまだあります。

それは否定詞をbao giờと組み合わせることです。

bao giờは「いつ」という疑問詞でよく使われますが、khôngやchưaなどの否定詞とコラボさせると強い否定を表現することができます。

bao giờと否定詞のいろいろ

không bao giờ〜

khôngにbao giờを組み合わせると「決して〜ない」という意味になります。

・tôi không bao giờ nói dối.
私は決してウソは言わない。

・tôi không bao giờ ăn món này.
私はもうこの料理は決して食べません。

chưa bao giờ〜

chưaにbao giờをつけると「まだ一度も〜したことがない」という意味になります。

・tôi chưa bao giờ sang Việt Nam.
私はまだ一度もベトナムに行ったことがない。

・em chưa bao giờ uống rượu.
まだ一度もお酒を飲んだことがない。

chưa〜bao giờ

また、chưaと切り離してbao giờを文末に置くこともできます。文末にきても意味は変わりません。

・tôi chưa hút thuốc bao giờ.
私はまだ一度もタバコを吸ったことがありません。

・mình chưa gặp người này bao giờ.
一度もこの人には会ったことがありません。

chẳng bao giờ〜

bao giờはkhôngよりも強い否定を表すchẳngとも組み合わせることができます。意味は「絶対に〜しない」というかなり強い否定になります。

・anh chẳng bao giờ gặp em nữa.
絶対に君とは会わない。

・tôi chẳng bao giờ ăn thịt chó.
私は絶対に犬肉は食べません。

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なんで否定にbao giờをつけると意味が強くなるの?

さきほどbao giờは「いつ」という疑問詞でよく使われると言いましたが、実はbao giờには「いかなる時も」「どんな時も」という意味もあります。

枠の部分が「いつ、いかなる時も」という意味です。

よって
「không bao giờ=いかなる時もkhông(ない)→決して〜ない」
「chưa bao giờ=いかなる時もchưa(まだない)→まだ一度も〜ない」
となるわけです。

không bao giờとchưa bao giờの違い

không bao giờとchưa bao giờの違いを理解するにはまずkhôngとchưaの否定の違いを理解する必要があります。

これは以前にもやりましたが、khôngは単なる否定、chưaは将来に含みをもたせた継続性のある否定です。

bao giờがついてもこの本質は変わりません。

例えばkhông bao giờ ăn thịt chóと言った場合は未来永劫これからも絶対に犬肉は食べないという意味になります。

一方でchưa bao giờ ăn thịt chóと言ったら、現在までに犬肉を一度も食べたことがないと述べているだけで、将来的には犬肉を食べる可能性があります。

要するにkhông bao giờは過去〜未来までの時間軸の行為すべてを否定するのに対し、chưa bao giờは過去〜現在までの時間軸を否定しているということです。

まとめ

・không(chẳng) bao giờ〜=決して(絶対に)〜ない
・chưa bao giờ〜 / chưa〜bao giờ=まだ一度も〜したことがない