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vol.502 nghềとnghiệpの違い

以前読者から以下のような質問がありました。

Q. nghềとnghiệpはニュアンスが違うというようなことを聞いたことがございます。
nghềはプラスのイメージ(好きでやっている、誇りを持っている)
nghiệpはマイナスのイメージ(嫌々やっている、義務としてやっている)
というような違いがあるそうなのですが、この認識は正しいのでしょうか?

この質問に答える形でnghềとnghiệpの違いを説明します。

まず「仕事」「職業」という単語について整理しておきましょう。công việcは「仕事」という意味で、その人の行っている具体的な業務を指します。

例文

・Công việc của tôi là dạy tiếng Nhật.
私の仕事は日本語を教えることです。

次にnghềは「職業」という意味で、社会的に認められた職の名前として、công việcより仕事内容が広く、包摂した言い方になっているのが特徴です。

例文

・Nghề của tôi là giáo viên.
私の職業は教師です。

このように、nghềには自身の生活のため、社会への貢献のため、社会的な地位を認めてもらうため、といった意味がnghềの中に暗に含まれていますが、この単語自体にプラスのイメージがあるわけではありません。

次にnghiệpも「職業」と訳せますが、この場合は農業、漁業、工業のように生活の中心をささえるしごと、領域という意味です。もちろんnghiệpを「職業」という意味で使うときはマイナスイメージはありません。

そして、nghiệpは単独で使うことはありません。基本的にnghề nghiệp(職業), sự nghiệp(事業)などの熟語の一部として使われます。nghề nghiệpは先ほどのnghềとnghiệpを合わせた熟語です。意味や使い方はnghềと同じです。

また、nghiệpは漢越語で【業】と書きます。日本語にも「業(ごう)」という仏教用語があるように、ベトナム語のnghiệpにも「悪業、カルマ、前世の報い」という意味があります。nghiệpはマイナスのイメージがある、というのはおそらくこの「業(ごう)」の意味と混同しているからではないでしょうか。