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vol.59 植民地時代の名残 フランス語由来のベトナム語

ベトナム語において、外国からの借用語で最も多いのは中国語由来の漢越ですが、その次に多いのは何語だか知っていますか??

正解はフランス語。ベトナムは19世紀半ばから20世紀半ばまでの約100年間フランスの支配下におかれ、その間フランスからの近代的な文化がたくさんベトナムに入り込んできました。

ベトナムではフランス統治時代の教会や郵便局などの建物が有名な観光地となっているし、コーヒーをはじめとしてベトナム風サンドイッチのbánh mìや、bánh flan(プリン)などフランス由来の食べ物がベトナムでは今や国民食となっているなど、様々な面でフランスからの影響をみることができます。

言語も例外ではありません。ベトナム語の外来語の中ではフランス語からの借用語が一番多く、広範囲に浸透しています。

フランス語由来のベトナム語

ベトナム語 意味 もとのフランス語
ga gare
xích lô シクロ(客を乗せて運ぶ三輪自転車) cyclo-pousse
pin 電池 pile
phanh ブレーキ frein
sơ mi ワイシャツ chemise
ba lô リュック ballot
sếp 上司、ボス chef
xăng ガソリン essence
xúc xích ソーセージ saucisse

ベトナムにかつてなかった近代的な物質などの名称の多くはフランス語から借用し、発音や表記が徐々にベトナム語化され、今のような形になりました。

フランス語由来のベトナム語の中には植民地時代の歴史が刻み込まれているとも言えます。