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vol. 346 [慣用句] 夜道を歩けばオバケに出くわす

慣用句から覚えるベトナム語シリーズです。

今回は“đi đêm có ngày gặp ma”という慣用句を紹介します。

ベトナム語の有名なことわざの1つですので覚えておいて損はないでしょう。

đi đêm có ngày gặp maとは?

đi đêm=夜道を歩く、夜間に外出する

điは「行く」、đêmは「夜間」なので、「夜道を歩く、夜間に外出する」となります。

特にđêmは夜9時以降の遅い夜をさします。đêmより遅い夜はkhuyaと言います。

đêmと音が似た単語に「đem=持っていく、連れて行く(mangと同じ意味。南部でよく使う)」や「đen=黒い」などがあります。発音に気をつけて下さい。

có ngày〜=〜する日もある

cóは「ある」、ngàyは「日」なので、「〜する日もある」となります。

cóの前にcũngを置いても同じ意味になります。

・(cũng) có ngày không muốn đi học.
学校に行きたくない日もある。

この表現単体でも日常会話でよく使うので覚えておきましょう。

gặp ma=オバケに出くわす

gặpは「会う」、maは「オバケ」になるので「オバケに出くわす」となります。

maと音が似た単語に「mà=しかし」や「má=ほっぺた」などがあります。こちらも声調の発音に気をつけて下さい。

夜道を歩けばオバケに出くわす→悪いことはいずれ自分に帰ってくる

以上のことから“đi đêm có ngày gặp ma”で「夜道を歩けばオバケに出くわす」となります。

このことわざは「悪事を重ねるといずれ悪いことが自分にふりかかる」という意味で使います。

これは日本語の「犬も歩けば棒に当たる」と意味は近いです。

しかし「犬も歩けば棒に当たる」は「何かをすると思いがけない災難や幸運に出会う」という意味で、自分の行いと出会う災難や幸運は偶然性に満ちています。

一方で“đi đêm có ngày gặp ma”は「自分が故意に悪いことをしてるから悪事が自分に帰ってくる」という「因果応報」的な意味で使います。悪い意味でしか使いません。

意味やニュアンスの違いに気を付けて使いましょう。

・Sao dạo này anh trốn học vậy? Đi đêm có ngày gặp ma đó.
なんで最近学校をさぼってるの? 夜道を歩けばオバケに出くわすよ。

ちなみにベトナム人はオバケのようなオカルト的なものを忌み嫌うし、かつその存在を信じている人が意外と多いです。

「お化けは怖い」という恐怖の観念がこのようなことわざを作り出しているのでしょうか。

まとめ

・đi đêm có ngày gặp ma=夜道を歩けばオバケに出くわす→悪事を重ねるといずれ悪いことが自分にふりかかる