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vol.22 Tôiは「中立」「疎遠」「謙遜」

ベトナム人は「tôi」をほとんど使わない

ベトナム語で一番最初に習う自己紹介のフレーズ「tôi tên là…」のtôiという単語を見てみましょう。

ベトナム語の書籍では当たり前のように「私」という意味で訳されますが、実際にベトナム人は日常会話でtôiという単語をほとんど使いません。

「えっ!?そうなの!?」なんて思った人はまだまだベトナム語の人称代名詞の勉強が足りません。

「わたし」や「あなた」にあたるベトナム語の一人称、二人称は性別、年齢、職業などによって相対的に変化します。

Tôiはそれらを無視した中立的、絶対的な意味での「私」です。

つまりベトナム人からすると全く親しみを感じず、丁寧すぎて距離をおかれた印象を受けます(日本語でいうと「わたし」ではなく「わたくし」に近い)。

だから普段の会話では全くといっていいほど使いません。試しに仲良くなった人と会話でtôiを使ってみると、すぐに「それ変だよ。」とツッコまれて訂正されます。

ちなみにtôiのもともとの意味は「下僕」「しもべ」という意味で、日本語の「僕」の由来にも似ており、自分がへりくだった意味も含んでいます。

まとめ

・Tôiの本質は「中立」「疎遠」「謙遜」。日常会話では使いません。tôiから卒業して相手に合わせた一人称、二人称を早く使いこなせるようにしよう。

・あまりオススメしませんが、tôiの応用編として、あまり仲良くなりたくない人、距離を置きたい人に対してわざとtôiを使う方法もあります。しつこくてやたら絡んでくるうざいベトナム人に対してtôiをずっと使ってたら向こうから離れていってくれるかも!?(笑)

4件のコメント

僕は日本で生活と仕事を体験しているベトナム人ハンです。
ベトナム語が上手ですね。こんなに理解できたら、すごいですよ。
ちなみに、「Tôi」をよく使われる時は友人関係です。これ以外は「Tôi」を使えば、この記事の通りになります。友人の関係で誰か「Tôi」を言ったら、相手の読み返すのは何ですか。これがご存知でしょうか。それは「Ông:オン」です。こちらの「Ông」の意味は「御祖父ちゃん」とか「お爺さん」とか「祖父」ではなく、ただ、親しい読み返し方です。

よろしければ、ぜひ言葉を交換しましょうね。

コメントありがとうございます。ハンさんも日本語がとても上手ですね!確かに親しい友人関係でもtoiやongは使いますね。ベトナム語の人称代名詞を日本人に説明するのはとても難しいです。よかったらメールやFBでやりとりしましょう。

田畑トマトさんの記事に興味を引かれるニュンです。記事をせっせと読んでいて、いろいろ勉強になりました。
トマトさんが上記のとおりに、「Tôi」の言葉は日常会話ではベトナム人があまり使いません。
しかし、友人関係意外家庭、親戚等の範囲では、北部地方のベトナム人が「Tôi」を良く使っています。
例えば、夫婦の場合は、「Tôi」と「mình」という言葉を使って話しています。
※ちなみに、方言のことですが、多くの中部地方のベトナム人が「Tôi」の発音ができなくて、「Tui」となってしまうこともあります。中部地方から南部地方まで「Tôi」を代わりに「Tui」は日常会話で良く使われています。〔得に最近若者の言葉になっていました。)ご存知ですか?
もし説明が分かりにくく感じさせたらすみませんね。

コメントありがとうございます。私も以前北部に住んでいましたがTôiを使っている人はほとんどみなかったですね。
確かにtuiは若者はよく使いますね。特にネットで使われていますね。

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