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vol.486 前置詞giúpの用法

giúpは「助ける、手伝う」という基本動詞としてよく使いますが、実は前置詞の用法もあります。前置詞giúpは参考書などで明文化されておらず、使い方を知らない人も多いので今回はその用法を紹介したいと思います。

意味は「(人の)ために」

前置詞giúpの意味は「(人の)ために」です。”人”の部分には一人称がくることが多いです。前置詞giúpの意味を拡げて解釈すると「あなたは私のために助けてね」となります。つまり依頼文とセットで使われるということです。

また、南部ではgiúpではなくgiùmをよく使います。giúpとgiùmの意味は同じです。

前置詞giúpは以下の3パターンの語順をとります。

①V giúp (cho) 人 + O
②V giúp + O + cho 人
③V + O + giúp 人

tính tiền(会計する)の例をとると以下のようになります。

①Tính giúp (cho) tôi tiền.
②Tính giúp tiền cho tôi.
③Tính tiền giúp tôi.

①~③はどれも「お会計お願いします」という意味になります。①と②のパターンは文法的には合っていますが、ベトナム人はあまり使いませんし、語順を間違えやすく覚えづらいです。

③の「giúp + 私」を最後に置く形が最も自然で、ベトナム人もよく使います。日常会話で使うだけなら③のパターンのみを覚えておけば十分でしょう。

依頼文 + giúp + 私

依頼文(相手に何かをしてもらいたい文)と前置詞giúpは相性がよく、会話ではよくセットで使われます。

文頭にnhờ(頼む)やhãy(~してください)やLàm ơn(~してくれませんか)を使った典型的な依頼文だけでなく、〈軽い命令〉を表す文末詞のđiや〈軽いお願い〉を表す文末詞のvớiともセットで使うことができます。

それらの依頼文に「giúp + 私=私のために」を入れるとより丁寧になり、相手に頼む度合いがより高くなります。

例文

Nhờ cô giải thích bài tập này giúp em, được không?
私にこの課題を説明してくれませんか?

・Đầy bình giúp tôi.
(ガソリン)満タンでお願いします。
※đầy=十分な、フルの / bình=タンク

Làm ơn mượn từ điển này giúp anh.
この辞書を貸していただけませんか?

・Cầm cái này giùm em với.
これ持ってて。
※荷物が多くて手で持てない時などに使います。

・Cất sữa chua giúp anh đi nhé.
ヨーグルトを(冷蔵庫に)しまっておいてね。

まとめ

頼みごとをする時には文の最後に「giúp + 私」を入れるクセをつけておきましょう。