以前紹介したtrời ơiのようにベトナム人はよく使うけど日本語では言い表しにくい単語はまだまだたくさんあります。
今回は「duyên」という単語のコアを紹介します。
duyên≠縁
duyênを辞書で調べると意味は「縁(えん)」と出てきます。
「ここで出会ったのも、何かの縁だろう」とか「仕事が縁で結婚することになった」のように使う「縁」のことです。
だが実際にベトナム語のduyênは「縁」のような意味だけでなく、もっと広い意味で使うことができます。
「duyên=縁」と短絡的に覚えてしまうとduyênの他の意味が理解しにくくなってしまいます。
なのでここはtrời ơiの時と同じようにduyênという単語のコア(=中核的な意味)を覚えておきましょう。
duyênのコア=<人を引きつける何か>
duyênのコアはずばり<人を引きつける何か>です。
イメージは人と人を結び付ける目に見えない赤い糸的なかんじです。このコアイメージを覚えておけばduyênの様々な用法に対処できるようになります。
例えば、
・chị ấy không đẹp nhưng có duyên.
は「彼女はきれいじゃないけど縁がある」と訳すと意味がわかりませんね。
だから後ろのcó duyênは「<人を引きつける何か>を持っている」⇒「魅力的な」と訳すほうがいいでしょう。
ではもう一つ
・ồn quá đi, vô duyên!
の文は直訳すると「うるさいなー、無縁!」となり、おかしな訳になってしまいますね。
なので後ろのvô duyên【無縁】は「<人を引きつける何か>が無い、欠落している」⇒「気配りがない、失礼な」と訳すことができます。
このようにduyên=<人を引きつける何か>というコアさえ覚えておけば、duyênの意味を広げて考えることができます。
まとめ ☆duyên関連の語彙☆
・có duyên=運命を持っている/魅力がある
・vô duyên【無縁】=気配りがない、失礼な
・duyên dáng=魅力的な、奥ゆかしい
・ép duyên=無理やり会わせる、意志に反した結婚をさせる
・duyên cớ/cố=(あまりよくない物事の)原因、因果
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