“GATO”はベトナムの若者がチャットやFacebookなどのSNS上でよく使うスラングです。
今回はGATOの意味とその使い方について紹介したいと思います。
gatoの通常の意味
スラングの意味の前にgatoの一般的な意味を知っておかねばなりません。
gatoは普通は「ケーキ、洋菓子」という意味で使われます。
例えばbánh gato(ga-tôとも表記する)といったら誕生日に出されるような丸いケーキのことをさします。
この場合のgatoはフランス語でケーキを表すgateauからきています。
日本語でもチョコレートケーキのことを「ガトーショコラ」とか言ったりしますよね。そのガトーと同じです。
gatoのスラングの意味
一方、facebookでベトナムの若者がgatoを使っていたらケーキのことではなく全く別の意味になります。
gatoは“ghen ăn tức ở”のことで、それぞれの単語の頭文字
ghen = G、ăn = A、tức = T、ở = O
からとった言葉です。
ghenは「嫉妬する」、tứcは「怒る、腹を立てる」という意味です。
つまりgatoは日本語では「うらやましくてイライラする」という意味になります。
gatoは他人の成功や利益を妬んだり、うらやましくてイライラした時に使う表現です。
・mày có người yêu rồi à? Gato quá.
お前恋人ができたの? うらやましいなぁー
※実際の会話ではGatoはそのままローマ字読みして「ガトー」と読みます。
・Chị hay đi du lịch nước ngoài, gato ghê.
よく海外旅行に行ってるね、ヤキモチ焼いちゃうよ。
※gatoはSNSなどで友達同士で使うときは冗談めかして言う場合が多いので深刻な意味では使われません。
ghen ăn tức ởのănやởって何?
ghen ăn tức ởで間にăn(食べる)やở(住む)が使われている理由は諸説あります。
ひとつは人々の成功の指標として表れやすいのは食事(ăn uống)と住まい(nhà ở)であって、それがねたみの対象となりやすいからăn, ởが使われているという説。
もうひとつは食べること(ăn)や住むこと(ở)が人間の生活の一部となっているように、嫉妬(ghen)や怒り(tức)も人間の基本的な感情の一部として発生するという説。
さらにもうひとつは食べてる時も嫉妬(ăn cũng ghen)、住んでる時もイライラ(ở cũng tức)のように何をしててもとにかく嫉妬とイライラがつきまとう様子を表しているという説もあります。
なぜ間にănやởがあるのか、実際に調べたり、ベトナム人に聞いたりしましたが意見が色々と分かれてしまい、明確な理由は今のところわかりません。
トマト的には、嫉妬や怒りの感情があるとき、人はそれによく囚われてしまっていると思うので一番最後の説を支持します。
いずれにせよghen ăn tức ởと一つのセットで覚えておくことが大切です。
まとめ
gatoはghen ăn tức ởの略、日本語では「うらやましくてイライラする」という意味。
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