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vol.232 khôngを使わない否定①

Maklay62 / Pixabay

khôngは否定文を作る際には欠かせないパーツです。動詞や形容詞文の否定でもlàを使った否定文でもkhôngは必ず出てきます。

もともとkhôngの漢越は【空】です。意味は「空(カラ)→ゼロ→〜ない→否定」と変化しました。khôngはまるで否定のために生まれてきたような単語ですね。

しかし実はkhôngを使わなくても否定文は色々作れちゃいます。今回はその方法を紹介しちゃいましょう。

①chưaを使う

chưaはVの前に置いて<未成立>「まだ~ない」を表す否定詞です。文末に置くと「もう~した?」を表す疑問文にもなることができます。

khôngもchưaも否定文や疑問文を作るときに置く位置は全く同じです。khôngとchưaは表裏一体の関係で、同じ仲間なのだと認識しておくと文を作りやすくなります。

②chẳng(chả)を使う

ここからは中級者向けです。ベトナム語にはchẳngという否定詞もあります。chẳngは「決して〜ない、全く〜ない」という意味で、khôngよりも強い否定を表します。

chẳngもkhôngとくる位置が同じです。 khôngと同じ使い方をするため「chẳng ai=誰も〜ない」や「chẳng bao giờ=絶対に〜ない」といった否定の応用の作り方もkhôngの場合と変わりません。
つまりchẳngはkhôngの否定の上位互換と覚えておきましょう。

ただしchẳngは否定の用法でしか使わず、khôngやchưaのように文末において疑問文になる用法はありません。

・tôi chẳng biết tiếng Nhật.
日本語なんてさっぱり知らないよ。

chẳng bao giờ ăn sầu riêng.
もう絶対にドリアンなんか食べない。

chẳng ai thích làm việc đó.
誰だってその仕事なんか好きじゃないよ。

chẳng có gì hay.
ちっとも面白くない。

chảはchẳngの口語バージョン

もうひとつchảという否定詞もあります。chảはchẳngが少し言いやすく短くなったもので、意味や使い方はchẳngと同じです。会話でよく使われます。

chả sao cả.
何も問題ないよ。

まとめ

・không以外の否定はchưaやchẳng(chả)を用いる。
・chẳngはkhôngよりも否定を強調したもので、くる位置や用法はkhôngと同じ。
・chảはchẳngの口語バージョン