接続詞「thì」は日常会話でベトナム人がよく使うにも関わらず、参考書や辞書などで意味を調べてもいまいち理解しにくい言葉です。
ここでは接続詞「thì」の意味をどう考え、どう使えばいいのかわかりやすく解説します。
接続詞「thì」の主な用法は2つあります。
①「~ならば…、~したら…、~すれば…」〈仮定、条件→結果〉
文と文の間にthìを置いて〈仮定(条件) thì 結果〉を表す接続詞になります。
この用法はNếu~thì…「もし~ならば…」やKhi~thì…「~(する)時に…」の構文のnếuやkhiが省略された形だと考えるとわかりやすいです。
会話では特にnếuやkhiが省略されやすく、thìだけが残った形がよく使われます。nếuやkhiが省略されても文の意味に変化はありません。
・(Nếu) trời mưa thì tôi không đi chơi.
雨が降ったら遊びに行かない。
・(Nếu) uống rượu nhiều thì buồn ngủ ngay.
酒をたくさん飲んだらすぐに眠くなる。
・(Nếu) vậy thì tôi không mua.
それなら、買いません。
※「vậy(thế) thì=それじゃあ、それならば」という形で覚えておいてもかまいません。
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・(Khi) tôi đến công ty thì bị mất điện rồi.
会社に着いたら、停電になった。
・(Khi) anh về nhà thì tôi lên máy bay.
あなたが家に帰った時には私は飛行機に乗っている。
②「~のほうは、~についていえば」〈主題の強調〉
S + thì~の形でS(主題)を強調する用法もよく使います。このまま意味を覚えてもかまいませんが、なぜこのような意味になるのか考えてみましょう。
この用法はもともと〈対比、対立〉を表す接続詞から来ています。
例えば
・Món này ngọt, còn món kia thì mặn
この料理は甘くて、あの料理はしょっぱい
「この料理」と「あの料理」を比較する文の後半にthìが使われています。ここで前半の文をなくすと
・Món kia thì mặn
あの料理(のほう)はしょっぱい
という言外に対比の含みを持たせた文ができます。
別の比較対象である「この料理」と暗に対立させることによって、結果としてthìが「あの料理」という主題(主語)を強調する形になっています。
だからS + thìで〈主題の強調〉となるわけです。
・Tôi thì đang bị cảm.
私のほうは風邪を引いているよ。(※元気なあなたと比較して)
・Giao thông Nhật Bản thì rất an toàn.
日本の交通に関してはとても安全だよ。(※ベトナムの交通と比較して)
・Khách sạn này thì vừa rẻ vừa sạch.
このホテルのほうが安くてキレイだよ。(※他のホテルと比較して)
まとめ
「thì」の用法
- 「~thì…=~ならば…、~したら…、~すれば…」〈仮定、条件→結果〉(※nếu, khiなどの省略)
- 「S + thì=~のほうは、~についていえば」〈主題の強調〉
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