前回のchưaの用法で、V(動詞/形容詞)の前に置くと否定文になり、文末に置くと疑問文になる、と説明しました。
Vの前で否定文、文末で疑問文…この形どこかで勉強した覚えはありませんか?
そう、これkhôngを使った一般的な否定文、疑問文と同じ形なんです。実はkhôngとchưaは行為の否定・疑問を表す副詞として同じ仲間に入ります。
khôngとchưaの比較
否定文
khôngもchưaもVの前に置くと否定文になります。không+V~で「V~ない」、chưa+Vで「まだV~ない」となります。
・tôi không ăn cơm. 私はごはんを食べません。
・tôi chưa ăn cơm. 私はまだごはんを食べてません。
疑問文
どちらも文末に置くと疑問文になります。その際、khôngを使った疑問文では動詞の前に強意の副詞であるcóが用いられ、chưaを使った疑問文ではやはり動詞の前に過去を表す副詞のđãが用いられます。
・anh (có) ăn cơm không? ごはんを食べますか?
・anh (đã) ăn cơm chưa? もうごはんを食べましたか?
ただしこの形で用いられる副詞のcóやđãはあくまで疑問文としての体裁を整えるための飾りのようなもので、意味はほとんどありません。なのでこれらは省略が可能です。
応答
上の疑問文に対する応答は、khôngを使った疑問文ではcó(Yes)/không(No)を用いて答え、chưaを使った疑問文ではrồi(Yes)/chưa(No)を用いて答えます。
không疑問文の答え方
(Yes) có, tôi ăn cơm. はい、食べます。
(No) không, tôi không ăn cơm いいえ、食べません。
chưa疑問文の答え方
(Yes) rồi, tôi ăn cơm rồi. はい、もう食べました。
(No) chưa, tôi chưa ăn cơm. いいえ、まだ食べていません。
このようにkhôngとchưaの否定文や疑問文は置く位置などが同じで、意味も似通っています。多くの参考書ではkhôngを使った否定文、疑問文は最初のほうに習いますが、chưaを使ったものは項目の中盤や後半で習うことが多く、一緒に語られることはありません。
khôngとchưaは表裏一体の関係にあって、同じ仲間なのだと認識しておくだけでも、頭の中が整理されてベトナム語が使いやすくなります。
まとめ
・khôngとchưaは行為の否定・疑問を表す同じ仲間。どちらもVの前に置くと否定文になり、文末に置くと疑問文になる。
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