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vol449 khôngとkhông phảiの違い

khôngとkhông phảiはどう違うのか考えてみましょう。どちらも否定の表現ですが否定する品詞に違いがあります。

không + V

khôngは「~ない」という意味で、述語となる動詞や形容詞を否定するときに使います。ベトナム語では動詞も形容詞も文法的には区別されないのでここでは一括してVとしています。

例文

・tôi không khỏe
私は元気ではありません。

・tôi không ăn cơm
私はごはんを食べません。

không phải (+là) + 名詞(のかたまり) / 文

không phải~は「~ではない」という否定の表現です。là + 名詞や、名詞のかたまり、文全体などを否定するときに使います。

例文

・tôi không phải là người Việt
私はベトナム人ではありません。

・không phải cái này
これじゃないよ。

・không phải xe của mình
僕のバイクではありません。

・không phải anh dạy em tiếng Nhật.
僕が君に日本語を教える訳じゃないよ。

※”anh dạy em tiếng Nhật”という文(名詞節と考えてもよい)全体をkhông phảiが否定しています。

・không phải là anh mua cái áo dài này.
このアオザイを買ったんじゃないよ。

※この場合のlàは接続詞とみて後ろの否定文をつないでいると考えてもいいし、làを動詞、anh mua cái áo dài nàyの部分をまるごと名詞のかたまりとみてもかまいません。

また、応用表現として「không phải + 否定文」で二重否定「~ではないというわけじゃない」という形を作ることができます。

例文

・không phải anh không thích em.
君が好きではないというわけじゃない。

・không phải anh chưa buồn ngủ.
まだ眠たくないわけじゃない。
※「chưa=まだ〜ない」ももちろん否定の表現に入ります

単体で使う時の意味の違い

không及びkhông phảiは応答表現として単体で使うことも可能です。

・không.
いいえ。

・không phải.
違います。

この場合のphảiは「正しい」という形容詞で使っています。それをkhôngで否定しているので「正しくない→違います」となります。

また、khôngの反対の表現は có / vâng「はい」で、không phảiの反対の表現はđúng rồi「そうです」です。混同しないように注意してください。

まとめ

  • khôngは述語となる動詞や形容詞を否定するときに使う。
  • không phảiはlà + 名詞や、名詞のかたまり、文全体などを否定するときに使う。