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vol.437 文末詞「kìa」

聞いたことあるけどいまいち使い方がわからない、わかっているようでわからない文末詞である「kìa」を解説します。

文末詞とは

文末詞とは文末に置いて相手に自分の感情、気分、態度などのニュアンスを伝える品詞のことです。語気詞(ごきし)ともいいます。ベトナム語ではtrợ từといいます。

ベトナム語は声調言語なので日本語や英語のように文のイントネーションを変えて細かな気持ちを伝えることができません。

そのため話者の感情やニュアンスを伝える言葉を新たに付け加える必要があります。それが文末詞です。

文末詞を入れないと機械的で感情がこもっていないような冷たい印象を相手に与えてしまいます。日常会話で自然に話したければ語気詞の学習は必須です。

kìaは「遠くにあるものを知らせる」

文末詞「kìa」は話者が遠くにあるものを見たり、聞いたりして、それを相手に注意喚起させる時に用います。

文末にも置けますが、感嘆詞的に文頭にも置くことができます。

日本語訳には表れづらいですが、例文を見てkìaのニュアンスを理解して下さい。

・xe đến kìa.
車が来たぞ!

・xem kìa!, có ngôi sao băng kìa!
見て!、流れ星だよ! ※ngôi sao băng=流れ星

・có ai gọi tôi kìa
誰かが私を呼んでいる…



「kìa」は指示詞「あれ」の” kia “から考えよ

文末詞「kìa」は「あれ」という意味の ” kia “と発音が非常に似ています。文末詞の「kìa」には下がる声調が入っているので注意して下さい。

文末詞の「kìa」はもともと指示代名詞「あれ」の” kia ” を派生させてできたものだと考えられます。

遠くにあるものを強調させるために声調を” kia ” から「kìa」に変えて文末詞として表現されたものだと考えられます。遠くを指すという共通点があるのもポイントです。

なので文末詞の“kìa”は指示詞のkiaと関連付けて覚えておくといいでしょう。

まとめ

・「kìa」は遠くにあるものを知覚し、それを相手に知らせる時に用いる文末詞。