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vol.310 「息」に関わる語の意外な法則

ベトナム語の「息」「空気」に関係する単語にはある法則があります。

[h-]からはじまる単語が多い

それは「息」「空気」「発声」系の単語は子音の[h-]からはじまる単語が多い、つまり「は行音が多い」ということです。

実際の例をみてみましょう。

「息」「空気」に関係する単語例

  • hát=歌う
  • hút=(たばこなどを口から)吸う
  • hít=(鼻から息を)吸う
  • ho=せきをする
  • hơi=空気、気体
  • hét=大声でどなる、いばる
  • hò=叫ぶ
  • hắt xì=くしゃみをする
  • hấp=蒸す
  • hô hấp=呼吸する
    ※漢越でもそのまま【呼吸】
  • hót=(小鳥が)さえずる、鳴く
  • há=(口を)大きく開ける
  • hở=(口が)半開きの

※háやhởは「空気が口から漏れている→口が開いている」と考える

どうでしょうか。呼吸、息、発声に関する単語は総じて[h-]の音から始まっているのがわかりますね。

音から見えてくる法則

もともとベトナム語の子音[h-]や日本語の「は行」は、息を「はー」と吐くように、舌の力を抜いて発音します。

[h-]の発音そのものが口の呼吸、息と深く関わっているので、「息」「空気」に関係している単語は[h-]からはじまるものが多い、と考えられます。

ベトナム語は「音」の切り口からでも単語の関連性がみえるということです。

まとめ

ベトナム語の「息」「空気」に関係する単語は子音の[h-]からはじまるものが多い。