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vol.400 [動画]末子音[-m]と[-n]の発音の違い

末子音[-m]と[-n]の発音の違いについて解説します。まずは動画を見て、次にテキストを読んで理解を深めて下さい。

末子音[-m]と[-n]のポイントをまとめると以下のようになります。

・[-m]=上唇と下唇をピッタリと閉じる「ん」

末子音の[-m]は両唇鼻音(りょうしんびおん)と言います。両方の唇で閉鎖を作り、「ん」の音と同時に鼻から軽く息を通す音になります。

動画にもあるように、「あんぱん」と言ったときの“ぱ”を言わずに直前で止めてみます。その時の口をピッタリと閉じた状態の「ん」という音が末子音の[-m]になります。

・[-n]=舌先を硬口蓋にあてる「ん」

末子音の[-n]は歯茎鼻音(しけいびおん)と言います。舌先を上の歯茎の裏にある硬口蓋(こうこうがい)という場所に当て、「ん」の音と同時に鼻から軽く息を通す音になります。

これは「でんしゃ」と言ったときの“しゃ”を言わずに直前で止めてみます。その時の舌が歯茎の裏に当たっている状態の「ん」という音が末子音の[-n]になります。舌を歯茎の裏にあててるだけなので口は閉じません。

発音例

giản / giảm
漢越語の【間】 / 減らす

lăn / lăm
転がる / 15以上の1桁目の5(năm)の異音

khán / khám
漢越語の【看】 / 検査する

[-m]と[-n]は単語単体での区別は非常に難しいでしょう。

実際の会話では文全体の流れから単語を判断するので[-m]と[-n]の単語単位での聞き分けにそこまで神経質になる必要はないでしょう。

何よりも大事なのはまず自分がきちんと[-m]と[-n]の発音を区別できることです。そうすると自然と耳も違いを区別できるようになります。

日本語を基準に考えない

末子音の[-m]と[-n]の発音は日本語の「ん」に相当する音です。図で表すと以下のようになります。

日本語では[-m]も[-n]も「ん」という1つの文字でしか表せません。1つの音の範囲が広く、口を閉じようが閉じまいが、多少いいかげんに言っても「ん」という音として認められます。

一方ベトナム語では[-m]と[-n]を厳密に2つの音に分けなければいけません(実際にはあと[-nh]と[-ng]も合わせて全部で4つの「ん」の音がある)。つまりひとつひとつの文字の音の範囲が非常に狭く、適当に「ん」と発音すると間違った音になる可能性が高くなります。

つまり日本語を基準にして発音するとベトナム語の[-m]と[-n]の発音の区別ができなくなってしまいます。

これがベトナム語をカタカナで発音してはならない理由の一つです。絶対にやめましょう。

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