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vol.159 ベトナム語はマイナー言語なのか?

「ベトナムって何語を話しているの?」

以前日本の友人からこんな素朴な疑問を受けたことがあります。
このブログを見てくれている人はもちろんベトナムに関心がある人が多いのでこのような質問をする人にびっくりしてしまうかもしれません。しかし悲しいことに多くの一般的な日本人はベトナムに関してほとんど知りません。「ベトナムってどこにあるの?」とか「ベトナムの首都ってホーチミン?」とかそんなレベルの認知度です。

ましてやそこで話されているベトナム語なんてよくわからないし、かなりマイナーな言語なんでしょ?と多くの日本人が思っていることでしょう。

しかし世界の言語の状況を見てみるとベトナム語はそこまでマイナーな言語ではないことがわかります。

世界で一番多く使われている言語ランキング ベトナム語15位 日本語9位

まず言語の規模を表す指標としてその言語の母語話者数がどれくらいいるかを知る必要があります。
ネイティブスピーカーの数が多い言語一覧」ではベトナム語は15位の7000万人で、日本語は9位の1億3400万人です。

1位 中国語     13億7000万人
2位 英語      5億3000万人
3位 ヒンディー語  4億9000万人
4位 スペイン語   4億2000万人
5位 アラビア語   2億3000万人
6位 ベンガル語   2億2000万人
7位 ポルトガル語  2億1500万人
8位 ロシア語    1億8000万人
9位 日本語     1億3400万人
10位 ドイツ語   1億3000万人
11位 フランス語  1億2300万人
12位 パンジャーブ語 9000万人
13位 ジャワ語    7500万人
14位 朝鮮語     7500万人
15位 ベトナム語   7000万人

【参考】Wikipedia ネイティブスピーカーの数が多い言語の一覧

数多くある言語の中で15位というのはかなりの大健闘です。
しかもこれは母語話者の数なのでベトナム語を第二言語としている少数民族の数は含まれていません。しかしベトナムにいる少数民族は小さいころからベトナム語での教育を受けているのでキン族(一般的なベトナム人)とほとんど変わらないベトナム語の運用能力を持っています。ほぼ母語話者といってもいいくらいです。なので実際のベトナム語話者数はもっといます。

次に下の画像は世界の言語の母語話者数の規模をわかりやすく表した図です。

Chineseの左上にVietnameseが見えますね。こうしてみても世界の言語の中でベトナム語はそれなりに存在感があることがわかります。

世界で最も影響力のある25の言語ランキング ベトナム語19位 日本9位

このランキングは先ほどの母語話者数に加えて、その国の経済力や国をまたいだ共通語としての役割などを考慮に入れたランキングです。ベトナム語は19位で、日本語は9位となっています。

1位 英語
2位 フランス語
3位 スペイン語
4位 アラビア語
5位 中国語
6位 ロシア語
7位 ポルトガル語
8位 ドイツ語
9位 日本語     

19位 ベトナム語

【参考】日本語は何位?世界で最も影響力のある25の言語ランキング

これもベトナム語は朝鮮語やタイ語をしのいで19位となかなかの健闘を見せています。ベトナムという国の影響力が増せばベトナム語の影響力もそれに比例して増えていくことでしょう。

実はベトナムは人口が多い!

このようにベトナム語が比較的ランキングの上位にこれるのはベトナムの人口が多いからです。現在ベトナムの人口は約9000万人で、ASEAN諸国内ではインドネシア、フィリピンに次いで三番目の多さです。東南アジアの中では大国といってもいいでしょう。

しかもこれからその人口はまだまだ増えていきます。人口がどんどん減っていく日本とは真逆の状態です。2050年にはベトナムが日本の人口を抜くという衝撃のデータまであります。

その頃には日本語よりもベトナム語のほうが需要がある世界になっているかもしれませんね。

まとめ

ベトナム語はその話者数や影響力も含めて決してマイナーな言語ではない。