ちょっとマニアックな表現“thèm vào”を紹介します。
thèmはそのままの意味では「強く欲しがる、望む」です。
thèmと似たような単語にthêm(=加える)があるので混同しないように注意して下さい。
そしてそのthèmに動作を内側に向かせる役割を持つvào(※もともとは「入る」という意味)があるため、thèm vàoでより強く切望する感じが込められます。
ポイントはここからです。会話でthèm vàoといったら「(誰もそんなこと)望んでない、いらない」という正反対の意味になります。
これは「(誰が)強く欲しがるか、いや誰もそんなもの欲しがらない」と反語的に解釈しましょう。
Mẹ : con ngoan quá. mẹ mua kẹo cao su về cho ăn.
母 : いい子ね、お母さんがガムを買ってきてあげようね。
Con: con thèm vào, mẹ mua kẹo dẻo cho con đi.
子 : そんなものいらないよ。グミ買ってきて。
今年の夏休みは帰省するの?
B: ừ, về thăm ba mẹ.
うん、両親に顔を見せにね。
A: vậy ai đi chơi với em.huhu
じゃあ誰が私と遊んでくれるの(泣)
B: chưa gì mà đã nhớ anh rồi à?
まだ帰ってないのにもう俺が恋しくなったのかい?
A: em thèm vào…
そんなわけないじゃん…
まとめ
要するにthèm vàoで「全く望んでない」という強い否定、拒否を表すということです。単語の見た目と実際の意味は真逆になるので気をつけて下さい。
いつもの面白い書き込み、ありがとうございます。
失礼ですが、気になるところがあります。
Con: con thèm vào, mẹ mua kẹo dẻo cho con đi.
子 : そんなものいらないよ。グミ買ってきて。
子供の場合はこの言い方を使っては失礼なことになってしまいます。
“con không thèm”のほうが柔らかく聞こえると思います。
コメントありがとうございます。thèm vàoだと少しぶしつけな言い方になってしまうんですね。
ご指摘ありがとうございます。
方言のようですね。その言い方は一度も使ったことがないのです。
南部の言い方は”hổng/ chẳng thèm”で、他の言い方は”ứ thèm”です。
なるほど、ứ thèmという言い方は初めて知りました。ご指摘ありがとうございます。