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vol.53 漢越と純粋ベトナム語のハーフ!?

ベトナム語にはもともと漢語に由来するが、場所や人の移り変わりや時の流れなどによって変化した「元漢越」のような単語が存在します。

そのような正式な漢越語の体系から外れた亜種のようなものを専門用語で「俗漢字音」や「訛音(かおん)」と言います。

たとえばxe máy(バイク)やxe buýt(バス)などの車両の総称に使うxe【車】という単語は正式な漢越語ではなく、xa【車】が変化した俗漢字音です。

またxin chàoのxinもthỉnh【請(セイ)】がなまったものです。

このように一見純粋ベトナム語に見えるが、実はもともと漢越だったという単語は他にもいっぱいあります。

俗漢字音の例

俗漢字音  もとの漢越語
tuổi(〜歳) tuế【歳】
ngoài(外の) ngoại【外】
mũ(帽子) mạo【帽】
cám(感じる) cảm【感】
qua(過ぎる) quá【過】

このような俗漢字音レベルまでくるとこれらがもともと中国からの漢語由来だと意識しているベトナム人はほとんどいなくなります。

そして俗漢字音まで含めたら漢語由来のベトナム語の比率はもっと上がります。ベトナム語と漢語は切っても切り離せない関係だと言っても過言ではありません。

まとめ

俗漢字音も漢越語の一種としてとらえておきましょう。

2件のコメント

トマトさん初めまして。
以前から読ませていただき、いろいろと教えていただいておりますが、コメント初めてです。

私はベテランのベトナム語初学者ですが、新しい語に出会う度に漢越語ではないかと思うと、
必ずオンラインの漢越辞典で調べています。漢越語で無かった場合でも、音が似通っていることから、
どう考えても元々は漢越語だろうと思うこともたびたびあります。
上記記事に挙げておられない語では、例えばtúi「袋」。漢越音ではđạiですが、広東語のdoi6に
非常に近いです。

ところで、例えばオンラインでTừ điển Hán Nôm等を見ると、Âm Hán Việt「漢越音」の他に
Âm Nômが表示されていますが、これはベトナムの「俗漢字音」と考えてよいのでしょうか?
尚、記事中の漢字では「請」と「歳」以外の俗漢字音はÂm Hán Việtに記載されています。

※上記コメント中の最後の文章を下記の通り訂正します。
尚、記事中の漢字では「請」と「歳」以外の俗漢字音はÂm Nômに記載されています。

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