日本語の「持つ」には様々なベトナム語をあてることができます。
今回は日常会話で理解しておきたい5つの「持つ」を勉強しましょう。
「持つ」のいろいろ
①có=〈所有・所属の〉持つ
超基本単語のcóは〈所有・所属〉を表します。「持つ」という訳よりは「ある、いる」という訳で使うことが多いです。
・có tiền
お金を持つ / お金がある
・có gia đình
家族を持つ / 家族がいる
・có giá trị
価値を持つ / 価値がある
②cầm=つかむ、手に持つ、にぎる
cầmは「つかむ」という意味です。あまり力を入れないで普通に手に持つ感じです。
cầmは漢越で【擒(キン)】です。タカやワシなどの猛禽(モウキン)類の「禽」に手へんがついた漢字です。
猛禽類が爪で獲物をつかんでいるイメージがcầm【擒】だと考えて下さい。
まぎらわしい単語に禁止形のcấm「〜するな」【禁】があります。声調の違いに注意しましょう。
・cầm tay
手をにぎる
・cầm dao
ナイフを持つ
・cầm bút
ペンをつかむ
③nắm=(強く)にぎる、つかむ
nắmは「にぎる」です。cầmとほとんど意味は同じですが、nắmは手と指に力を入れて拳の中に包み込んでギューっと握るイメージです。
例えば「おにぎり」はベトナム語で“cơm nắm”と言います。おにぎりは手と指に力を入れてギュッと握らないとできませんよね。
nắmとcầmの違いは力の入れ加減です。nắmはcầmよりも少し力を加えていると理解しましょう。
・nắm cánh tay
腕をにぎる / つかむ
・nắm tóc
髪の毛をつかむ
・nắm cơm
ご飯を握る
ちなみに nắmには「把握する、理解する」という意味もあります。
・nắm ý
意味を理解する
・nắm tình hình
状況を把握する
④mang=持っていく、携帯する
mangは自分に物を付属、付帯させて移動を伴う時に使います。
簡単に訳すと「持っていく」です。mangの用法は英語のbringと似ています。
通常「mang + 名詞 + 方向動詞(đi, về, đến, ra, vào, lên, xuốngなど)」という語順で使います。
・mang cơm về nhà
ご飯を家に持って帰る
・mang tiền đi siêu thị
お金を持ってスーパーに行く
・mang sách đến trường
本を持って学校に行く
⑤xách=手で持つ、提(さ)げる、携行する
xáchは「手に持って携える」という意味です。
さきほどのmangの場合は持っていく方法はどんな形でもいいのですが、xáchの場合は必ず「手」を使うことに注意しましょう。
・xách vali
荷物(スーツケース)を持つ
・xách túi
カバンを持つ
・xách rìu
斧を持つ
まとめ
ひとくちに「持つ」といってもベトナム語では様々な言い方があります。具体例を参考にきちんとそれぞれの意味の違いを理解しておきましょう。
①có=〈所有・所属の〉持つ
②cầm=つかむ、手に持つ、にぎる
③nắm=(強く)にぎる、つかむ
④mang=持っていく、携帯する
⑤xách=手で持つ、提(さ)げる、携行する
こんど
「普通」のいろいろ
お願いできませんでしょうか?
確かに「普通」という意味の単語はいろいろありますね!今度書かせていただきます!