意味は知っているけど使い方にクセがある動詞mangの用法を学びましょう。
mangのコア

mangのコアは<付帯>です。付帯とは主となるものに付属する、くっついていることです。動詞にすると「携行する、身につける」という基本的意味を持ちます。
①携行する
「従う、付いていく」という意味のtheoとよくセットで使われます。
②身につける
主に体の一部を覆い隠すために身につけるという意味で使います。
・mang khẩu trang
マスクをつける
・mang kính râm
サングラスをかける
・mang tất / vớ
靴下をはく
②の意味のmangはđeoと置き換え可能です。
mangと移動
③mang + 方向動詞
mangは方向動詞とよくセットで用いられます。mangは<付帯>を表すので「付帯 + どのような方向を示すか」と考えるとわかりやすくなります。
方向動詞についての記事はこちら↓
・mang đi
持っていく
・mang ra
持ち出す
・mang vào
持ち込む
・mang về
持って帰る、テイクアウトする
・mang lên
持って上がる
・mang xuống
持って下りる
④mang + O(もの) + 方向動詞 + 場所 「Oを場所まで移動させる」
②のmang + 方向動詞の応用表現として、間に目的語を挟むこともできます。
「O(もの) + 方向動詞 + 場所」の部分は左から右に目的語となる名詞がどのような方向イメージで場所へ向かうのか、と考えると訳しやすくなります。
・mang bánh mì về nhà
付帯 + バインミーが家に帰る→バインミーを家に持って帰る
・mang hành lý ra xe khách
付帯 + 荷物がバスまで出る→荷物をバスまで持ち出す。
※荷物が部屋などの狭い場所から外に出て車に入るという意味です。バスから荷物が出されるという訳ではないので注意してください。
・mang quần áo lên sân thượng giặt
付帯 + 洋服が屋上まで上がる→洗濯をしに屋上まで洋服を持って上がる。
※ベトナムのサービスアパートメントではよく屋上に共同の洗濯機があってそこで洗濯します。
⑤mang lại + O + cho~ 「~にOな影響を与える、もたらす」
この場合のlạiは「また」ではなく「(近くに)来る」という意味の動詞として使っています。つまり③の用法と同じようにlạiは方向動詞だと考えてください。
そうすると「付帯 + 到来→もたらす」という意味になるのがわかるかと思います。
・Uống rượu nhiều mang lại hậu quả xấu.
お酒をたくさん飲むことは悪い結果をもたらす→お酒をたくさん飲むと二日酔いになる。
・Nụ cười mang lại lợi ích cho sức khỏe tinh thần.
笑いはメンタルヘルスに良い影響をもたらす。
・Anh chính là người mang lại cảm giác an toàn cho em.
あなたこそが私を安心させる人なのよ。
また、mangは②の用法以外はすべてđemと置き換え可能です。
まとめ
mangはコアをおさえ、方向動詞と組み合わせた使い方に慣れておきましょう。
- 携行する
- 身につける
- mang + 方向動詞
- mang + O(もの) + 方向動詞 + 場所 「Oを場所まで移動させる」
- mang lại + O + cho~ 「~にOな影響を与える、もたらす」
・mang theo hộ chiếu
パスポートを携行する
・mang theo mũ bảo hiểm
ヘルメットを(手で)持っていく
※ヘルメットをかぶるは ” đội mũ bảo hiểm ” という。